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# by kyokihoinmypocket | 2009-12-31 11:39 | このブログの見方

ニュースレター第8号

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ポケットに教育基本法の会 NEWS LETTER 第8号   
                             2009年4月1日
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 ★ 東京:教基法訴訟控訴審に不当判決 上告します 

 2007年9月に「改定教育基本法は憲法違反である」と提訴した教育基本法違憲訴訟の控訴審は何も審理されずに3月19日、不当判決が下されました。
 私たちは最高裁に上告します。

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 控訴審第2回口頭弁論が、1月27日、東京高等裁判所で行われました。東京高裁第8民事部の原田敏章裁判長(右陪席:氣賀澤耕一、左陪席:加藤謙一裁判官)は控訴人に計40分の陳述時間を与えましたが、最後の控訴人の陳述後、突然結審を言い渡しました。控訴人に言いたいことを言わせただけで、被控訴人に反論を求めることもなく、何も審理せずに結審しました。今回の裁判官も、被控訴人である国と教育基本法改正に賛成した国会議員に自主的におもねるヒラメ裁判官であることが暴露され、控訴人と傍聴者は裁判所への怒りを新たにしました。

◆陳述時間を計40分もくれるの?!

 第1回口頭弁論で控訴人の求めに快く答え、裁判官の名前を紹介してくれた原田裁判長はこの日も穏やかな態度で、口頭での陳述は4人の控訴人一人につき10分、計40分で行ってくださいと言いました。「えーっ! なんでそこまでサービスしてくれるかな? こりゃあ、言わせるだけ言わせて結審するつもりだ」とピーンとひらめいたにも関わらず、人のいい筆者らは普段親切な人にする通り条件反射で裁判長にお礼を述べていました。

◆国、自民党国会議員は主権者に誠実に対応してほしい

 まず、渡辺が被控訴人による答弁書への反論を陳述しました。

 太田昭宏氏(教基法改正に賛成した特別委員会メンバーで東京都選出の公明党国会議員)は答弁書で、原判決には審理不尽は存在しないと主張していますが、原審はたった1回の口頭弁論で結審しており、裁判官による真実究明義務の全うがなされていないことは明らかであり、「裁判所は訴訟が裁判をするのに熟したときは、終結裁判をする」と規定した民事訴訟法243.条に違反しています。

 また、原判決は「教育基本法の内容が原告らの政治的思想信条に反するものであり、・・・その内容に不快の念等を抱いたとしても」とした点につき、控訴人らは事実誤認だと主張していますが、答弁書は否定しています。しかし控訴人は教育基本法の内容が憲法に違反していると主張しているのだから、控訴人の主張を「不快の念」などという法律らしからぬ非論理的かつ情緒的な言葉で退けるのではなく、教育基本法の内容が憲法に適っている根拠を憲法の条文に照らして述べなければならないはずです。

 被控訴人国、及び小杉隆、下村博文、木村勉、島村宜伸氏(教基法改正に賛成した特別委員会メンバーで東京都選出の自民党国会議員)の答弁書には控訴理由書に対する反論が一切なく、ただ棄却すると述べているのみです。反論せずとも勝つと予想し、この裁判をまじめにやる気がないのです。国は国民のためにあり、国会議員は国民のために働くべき職責を負っているはずなのに、これでは主権者の異議申し立てに対して誠実な態度を取っているとは到底言うことができません。これは国民の基本的人権を損ねるもので憲法第11条に違反し、かつ国民の裁判を受ける権利を愚弄しているため、憲法第32条に違反します。

◆教育基本法が改正されたことによる具体的な損害

 次に城倉さんが板橋区立小学校の50周年記念式典の際、日の丸に礼をすることを拒んで着席し、君が代も歌わなかったことによって具体的な損害を被ったと述べました。

 城倉さんはPTA役員のもとにある専門委員なのでその式典出席には強制力が働き、その式典で副校長の司会のもと、日の丸に向かって起立が促され、そのまま「礼」をするように指示されました。しかしキリスト教会の牧師であるJさんは、信仰に基づき神でないものを拝むことができず、着席しました。城倉さん以外の出席者たちは「礼」の後、「君が代」を歌うよう強制的に指示され、歌いましたが、城倉さんは着席のまま歌いませんでした。「君が代」は日本の台湾出兵以来の侵略戦争行為を想起させるものであり、平和憲法に基づき、47年版教育基本法に基づいた教育を受けてきたJさんはこの歌をどうしても歌うことができなかったのです。

 式典に欠席することは地域社会で白眼視される行為であり、一人だけ着席することは当然目立つ行為であり、「君が代」を歌わないことも、相当な勇気が要ることです。精神的打撃だけでなく、その後の地域での生活に支障をきたすからです。これは具体的な損害であり、毎年の入学式や卒業式などでも繰り返されている国家規模の損害だと城倉さんは主張しました。

 坂本板橋区長は式典の挨拶の中で、「教育基本法改正と学習指導要領の改訂」について言及し、「この法律に基づいて、これからも郷土を愛する態度を滋養する厳かな式典、地域・家庭と共同しての教育を進めていく」ことを明言しました。つまり、城倉さんのような信条を持つ者を生きづらくしているのは改正教育基本法であり、具体的損害があるので、裁判所は審理すべきなのです。

◆改定教基法による道徳教育は憲法違反

 3番目に小学校3年生の子どもを持つTさんが、教育基本法が改正されてから小学校で行われる道徳教育が自己犠牲の精神を賛美するものにはっきり変わってきたことを陳述しました。その一例として、授業時間に行われた「よみきかせ会」で「さいごの恐竜ティラン」という話が取り上げられたことを話しました。

 そのストーリーは、草食恐竜のお母さん恐竜が、ひょんなことから肉食恐竜のティラノサウルス、ティランちゃんを育てることになり、親子は仲良く暮らしていたが、氷河期になり食べ物がなくなって、お母さん恐竜が先に死んでしまう。やがて、他のティラノサウルスが死んだお母さん恐竜を食べにやってくると、ティランはお母さんの死体を守って、ティラノサウルスと戦い、ティランは傷だらけになりながら最後まで戦い、舞い落ちる雪の中母親の死体に寄り添い死ぬという物語です。

 これは「忠臣蔵」によく似た内容構造を持ち、日本の伝統的な生き方であり、このような生き方が道徳教育で推奨されるようになったのは、改定教育基本法第2条第5項で、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」ことが教育の目標になったことに起因するものであるとTさんは主張しました。

 日本の伝統的な国家秩序を保つ方法として、明治憲法時代は教育勅語により、国民は天皇のために戦って死ぬべきであると教えたが、これは日本国憲法第13条「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しないかぎり、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」に違反している。

 その結果、Tさんの子どもの生きる権利は奪われ、保護者であるTさんは子どもを憲法に基づき、自由に健やかに育てる権利を奪われ、さらに将来における子どもの生命の保証を脅かされ、多大な苦痛を強いられている。したがって控訴人の権利利益は改定教育基本法による道徳・愛国心教育によってただちに侵害されていると訴えました。

 そして、最後にもう一度渡辺がやらせタウンミーティングの違法性について主張しました。

◆不当な結審と勝手な訴訟指揮

 渡辺の陳述が終わると、原田裁判長はいきなり、「準備書面(10)の陳述は認めません。本件はこれで口頭弁論を終結し・・・」と言い出しました。いつもと同じパターンです。筆者らは「忌避します」と口々に言いましたが、裁判長はもにょもにょと判決日を告げ、閉廷のあいさつもせずに逃げるように扉の向こうに消えました。

 言いたいだけ言わせて、即、「口頭弁論を終結」だったのです。予想していたとは言え、これだけしゃべらせてくれたのだから、裁判長も何か言うのかと思いきや、いきなり「終結」です。長々と陳述して座った直後の一瞬だったので、ほんの少しの隙ができて、ヤジを飛ばすことも忘れてしまいました。あっけにとられる暇もなかったのです。私たちが主権者です。裁判官の給料を払っているのは私たちです。主権者が雇っているはずの裁判官に対して、どうしてこんなに緊張し、まるで「敵」に対するように「隙ができた」などと言わなければならないのでしょうか?

 準備書面(10)は被控訴人に対する認否の求めと求釈明でした。これを陳述扱いにすると面倒なので、認めなかったのでしょう。提出した準備書面を陳述扱いにしないことができるのかと書記官に聞きましたが、訴訟指揮だということでした。

 また、書記官には忌避を口頭弁論調書に書くことを確認したのですが、翌日、電話があって、忌避扱いにできないので、改めて忌避申立書を出すように言ってきました。今までは法廷で口頭で言っただけで忌避を認め、調書に書いてくれたと抗議しましたが、これも裁判官の訴訟指揮だということでした。

筆者の感想

 今日は傍聴者が20人以上来てくれて、40分の切実な陳述を聞いてくれましたので、それだけはよかったと思います。裁判官たちは「早く終われ」と思いつつ、仕方なく座っていたのかもしれませんが、少しは耳に入ったかもと希望的観測ですが、思います(40分間瞑想にふけっている方もいらっしゃいましたが)。被控訴人(代理人ですが)らも居眠りはしていませんでした。一人は顔を真っ赤にしていました(安倍裁判と同じ代理人)。彼らは「ヒラメ裁判官」であり、権力に加担する弁護士ではありますが、彼らにも良心は残っているはずだと思うので、どれだけ聞いていたかはわかりませんが陳述してよかったと思います。仕事以外のところで、今日の陳述を思い出し、もしかすると何か考えてくれるかもしれません。

 道徳教育について陳述したTさんは、「裁判をやっていてよかった。裁判をやっていなければ『何かおかしい』としか思わなかっただろうことが、きちんと見えるようになった」と言っていました。裁判をやることによって私たちひとりひとりは確実に力をつけているのです。

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 氣賀澤耕一裁判官 原田敏章裁判長   加藤謙一裁判官
       (終始被控訴人側に傾いている)(終始瞑想中)

傍聴席による裁判官の「通信簿」


Aさん

・ 傍聴、23人。着帽の女性がぬぐよう注意されたが、なぜ?
・ 各10分の口頭で陳述が許可される!しかしこれは終結前のサービス。やっぱり結審でした。
・ 『傍聴支援のみなさまへ』をもらえたのは有難い。
・ 裁判長(右、左も)は真剣に聞いているように見えた。選定人には、口頭で陳述の権がないのはどんなきまりだろうか。
・ 城倉氏の思想信条の自由を侵す新教基法による被害と言うとき、裁判官は「フーン」という顔。
・ 小学校の「読み聞かせ」の形の道徳のおしつけ、実態をしっかり聞き取る原告の感性のていねいさに感心。美しいギセー死を、9歳の子どもにおしつける異常。こどもに生きることより美しく死ぬことを進める話に裁判長は首を傾けて聞いていたが、わかってくれたかな。
・ 右側の裁判官は途中から目つむることが多くなった。これは感動のせい?左側も富盛氏口述の後半は時計ばかり見ていた?かなり裁判長もねむそうになってきた。

Bさん

 向かって右の人は眠っていたのでは?聞きたくない/聞いても考えをかえない/のがありありです。

Cさん

 保護者としてのTさんの証言は印象的でした。改(正)教基法はすでに現実に効力を発揮し始めているのですね。憲法と照らして教基法の不当さを訴えていくことは本当に大切です。ただだまって受け容れていくのは耐えられません。

Dさん

・ 官の発言が明瞭でない(口ごもり発言。語尾が特に!)。
・ 発言時間配分での官の裁量が独善。官の傍聴採点が常(?)にあるほうがよい。
・ 法のすり替えがあまりに日常的に官が利用している(多様の価値観?)。

Eさん

 [裁判官の態度・印象]総合評価:回心前のパウロ(早く目からウロコのようなものが落ちますように)
良く顔を傾けている裁判長だなあと思いました。また裁判長から見て左隣に座っていた人も結構長時間目を閉じていることがよくありました。そうした態度は、陳述している人の話を真面目に聞いていないような印象を傍聴者に与えるので、そういう誤解を避けるためにも、改めた方がいいと思います。

 また、私は、今回初めて裁判を直接この目で見たのですが、原告に喋らせるだけ喋らせておいて、即「結審」「閉廷」となったことに驚きました。今回の口頭弁論では、実際に自分の子どもを教育現場に預けている保護者本人からの訴えなど、素人目にも重要だと分かる内容のものがありましたが、そうしたことに対して、被告側の弁論は聞かなくても良いのでしょうか。これでは被告側にも原告側にも、わだかまりが残ることになると思い、不公平感を覚えました。裁判に馴染みのない者でもある程度納得して判決を待てる、万人のための裁判を心がけてください。

Fさん

 控訴審第2回口頭弁論における渡辺さん、Tさん、城倉啓さんの弁論の内容、全面賛同します。司法という権力に対し、臆することなく現在の教育行政の在り方に対し、真の教育の在り方を述べて下さったこと、感謝いたします。

 特にTさんの小学校の道徳教育において、国家に対する自己犠牲を求める在り方、軍国学童教育の国民学校時代を思い出し、戦慄を覚えます。学習できました。主権者としての人権を守り、反戦、平和の闘いを共に頑張ります。

Gさん

 今日は23名もの傍聴者がつめかけ、盛り上がりを感じた。裁判長は選定当事者のみに陳述を教条的にしぼっているが、本当に法的根拠があるのだろうか?

 今回は前もって打ち合わせがあったのか、裁判所職員が「帽子をとれ」などと注意したり、時計をチラチラ見る…といつになく動きが多かった。

 審議を一方的に打ち切り、次回判決という一方的宣告には問題を感じた。こういう裁判所の実態を国民は知る必要があると思う。

 3人の裁判官のうち、右端(左陪席の加藤謙一裁判官)はウツラウツラ眠っていたのも気になった。立法・行政が暴走した時、司法が最後のたよりのはずなのに、憲法裁判さえ入ろうとしない裁判所のあり方には憂慮を覚える。

口頭弁論後の報告会での感想

Hさん

 教育基本法改悪後の小学校の道徳授業が、自己犠牲を強いる方向になっているという実態を知り、そんなことになっているのかとびっくり。私は障害者施設の職員だが、「つくる会」教科書を最初に押し付けられたのは養護施設の児童だった。障害者は、「つくる会」教科書で、自己犠牲精神で国のために尽くせ=死ね、ということか。障害者差別だと思う。

Iさん

 運動会などでも神道の踊りなどが増えているという。教育基本法が改悪された影響がどんどん出てきていることを実感している。

Jさん

 小泉・安倍政権が残したものが、今まさに私たちの暮らしや子どもたちにのしかかっていることを実感した。

Kさん

 大学生です。初めて裁判を傍聴した。弁論の中で、小学校で自己犠牲を要求する道徳教育が行われていると聞いて驚いた。“伝統”という言葉にだまされてはいけないと思った。

Lさん

 自殺する中学生が増えている。文科省は子どもの自殺についてどう考えているのか。教育基本法の改定は何の解決にもなっておらず、むしろ助長するものではないか。

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忌避について

 東京高裁第9民事部の原田敏章裁判長、氣賀澤耕一、加藤謙一裁判官を忌避しました。理由は以下です。

① 控訴人らは原判決の審理不尽、脱漏などの指摘に加え、新たな証拠を示し、教育基本法が改正されたことにより、具体的な損害が発生していることを述べたにもかかわらず、それを一切審理しなかった。

② 控訴人らは準備書面(10)において、被控訴人らに認否の求めと求釈明を求めたが、裁判官らはこの準備書面を理由を明らかにしないまま受理することを拒否した。つまり被控訴人に反論を求めることもせず、控訴人の求釈明を完全に無視し、審理することを拒否した。即ち、控訴人に対する悪意ある偏頗な裁判を行った。

③ 裁判官は被控訴人に棄却すべきと主張する理由も聞かず、審理不尽であり、明らかに被控訴人を勝たせる不公正な意図が見え見えである。

 東京高裁はこの忌避申し立てに対し、裁判官の訴訟指揮は忌避の理由に当たらないとして、申し立てを却下しました。現在最高裁に特別抗告を行っています。

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控訴審判決と原田裁判長

 3月19日、改定教育基本法は違憲であると訴えた裁判の控訴審判決が、東京高裁第8民事部原田敏章裁判長により言い渡されました。原審に引き続き何も審理しないままの判決は門前払いであり、控訴人らは上告を決意しました。

◆判決はたった3秒。

 筆者は言い渡し予定時刻の午後4時より10分ほど前に控訴人席に着いて裁判官を待っていました。判決言い渡しは数秒で終わってしまうため、5秒遅刻すれば間に合わないので、余裕をもって早く来たのです。

 裁判官3人が入ってきました。しばしの間・・・。裁判長は正面の時計をじっと見ていたので、4時ぴったりになるのを待っていたらしいです。でも数秒で終わる判決のために、「秒」まで合っているのか疑問な時計で4時を待つなんて、この待っている数秒と判決の数秒が同じ位の時間であることにおかしくなりました。そして数秒後、原田裁判長は「主文 1 本件各控訴をいずれも棄却する。 2 控訴費用は控訴人らの負担とする」と言って、ドアの後ろに消えました。この間、3秒。

 あれだけ一生懸命に書いた控訴理由書や切実な準備書面にたいする回答がたった3秒です。そして国民に裁判の実態を知ってもらいたくても、口頭弁論は昼間行われますから、傍聴できる人はごく限られています。マスコミはこんなマイナーな裁判を報道することはありません。だから、裁判はぜひすべてをテレビ放映してもらいたいものです。

 今日、私が用意していたやじは「原田裁判長の不当判決はネットで監視していますよ」でした。原田裁判長は不当判決が多いため、本当にそういうサイトがあるのです。私たちの裁判もそこに載っていました。

◆「違法とまでは言えない」とする常套句

 さて、判決の内容ですが、控訴人、被控訴人の名前や控訴人名簿などを除くとたった3ページ、その中で地裁判決の引用などが2ページ、「当裁判所の補充の判断」が1ページでした。要するに、「教育基本法が成立したことによって直ちに控訴人らが国を愛する態度を強制されたり、思想及び良心の自由を侵害されたりするとまでは認めることができない」というものでした。「何々とまでは~否定」というのは裁判所の常套句。裁判官が最も好むのは「違法とまでは言えない」です。これは裏を返せば「違法ではないとまでは言えない」という意味でもあります。さすがに良心が痛むのか「違法ではない」と断定できないのでごまかすために設定したに違いない、違法でもなければ適法でもない、グレーゾーンです。

 つまり今回の判決で言えば、「国を愛する態度を強制されたり、思想及び良心の自由を侵害されたりするとは認めることができない」とはっきり言えず、「~とまでは」というあいまいな言葉を入れているのも、はっきりした判断を避けグレーゾーンに逃げ込んでいるということです。

 いつもこのような判決を受ける者として考えてみるに、「とまでは言えない」という言い方は、「違法ではない」と断定できないということなのであって、現在の日本の裁判官が最高裁に人事権や昇給を決める権利を握られており、出世を望むなら最高裁の顔色を窺って政府、行政寄りの判決しか書けない状況を考えれば、心情的には「違法である」と認めているも同然と見ることができます。なぜならば、そんな気持ちが全くないならば自信をもって「違法ではない」と断定するはずだからです。

◆裁判官が公正な判決を出せない制度的な欠陥

 私たちは本人訴訟を行い、主権を自ら行使することによって、日本の司法を変えていきたいと願っていますが、最高裁が裁判官の人事権等を握っているという制度自体を変えなければ、なかなか変わっていかないと痛感しています。裁判官がおのれの良心に従い、何ものにもとらわれることなく公正に判断できるためには、人事権などは司法の枠組みから離れた第三者機関に委ねる必要があるのです。これは裁判官忌避の審理を行うのが同じ裁判所の別の部(つまり当の裁判官のお友達)であるという不公正さや地方自治体において住民監査請求を監査する監査委員がその自治体の長の元直属の部下だったりという制度的な欠陥とも共通した問題です。

 このように書くと、筆者が原田裁判長を免罪しているかのように誤解されるかもしれませんが、決してそうではありません。本来裁判官は自分の出世などより正義を重んじ、公正な裁判をすべきであると思っています。しかし、制度の問題は制度の問題として取り上げ、改善していかなければならないという意味です。

◆原田裁判長の別な事件での不当判決

 この機会に同じ原田裁判長の、これは好意的に解釈することは全くできない不当判決について、お知らせします。それは、阿部力也世田谷区議が選挙期間中に運動員の女性に行ったわいせつ事件で、地裁ではわいせつ行為を認定したのに、高裁で原田裁判長がそれを覆したのです。女性が半年以上も警察に届け出なかったことなどから「執拗(しつよう)で屈辱的な被害を受けた行動としては不自然で不合理。わいせつ行為は存在しないか、存在したとしても女性の承諾に基づくものだったことを強く示唆する」との理由でした。半年以上も警察に届け出なかったことがなぜこのようなことを示唆することに結びつくのか、偏見以外何の根拠もない、ひどい判決です。

◆横浜改正教基法違憲訴訟控訴審も原田裁判長

 改正教基法違憲訴訟は愛媛、横浜、東京の3か所で提訴しましたが、横浜地裁でも門前払いされ、東京高裁に控訴しました。この控訴審第1回口頭弁論が3月12日、行われました。ここでも原田裁判長は控訴人一人につき10分、計20分の口頭での陳述を許しましたが、第1回で結審しました。

 筆者らの口頭弁論の報告で、原田裁判長の体が終始被控訴人側に傾いていると書いたのを読んだのか、今回は陳述中に、体を動かし、控訴人側に傾けたり、被控訴人側に傾けたりして、気を使っているらしい様子が見受けられました。右陪席(筆者らの裁判では左陪席)の加藤謙一裁判官については「終始瞑想中」と書いたのを読んだのか、今回は目をぱっちり開けて、陳述をよく聞いていました。左陪席は小出邦夫という知らない裁判官でしたが、似顔絵を描かれたくないらしく、頬杖をついた手で顔を隠したりしていました。

 横浜教基法違憲訴訟も東京と同じ裁判官にしたのは、なぜでしょう? 判決を書くのにコピー&ペイストできるからだと勘ぐっている筆者です。そして言わせてもらえるなら、こんな判決なら素人にも簡単に書けますよ。裁判官なら裁判官らしく、法律に則ってまじめに書いてほしいものです。

つづく
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# by kyokihoinmypocket | 2009-05-06 18:18 | ニュースレター

ニュースレター第8号のつづき

P o c k e t  C o l u m n

女のお喋りが、ファシズムを遠ざける?!   E・T

 最近、私はママ友ランチしている。教科書訴訟や教基法の改変、和田中訴訟について話すためである。
私は、3年前から裁判活動をしているが、それについてこれまで子ども関係の友人に話したことはなかった。杉並の教育問題なのだから杉並の友人にこそ話したいのに、こんな政治の話をしたら浮いてしまうんじゃないか、アカのレッテルを貼られるんじゃないかと恐れていたためだ。もっとも親しい友人でありながら話していないのが辛くもあった。

 裁判を始めて3年がたち、今年は教科書採択の年でもある。これを機に、杉並の母親たちにも知ってもらいたいと思い、最近になって友人たちとランチしながら、私がこの3年間やってきたことを話した。

 すると意外にも、皆、やさしいのである。これまで、10名ほどの人たちとランチしたが、変な目で見る人は一人もいなかった。皆、私が3年間苦しい思いで裁判活動をしていたことを理解し、受け止めてくれたように思う。友だちっていいものだな、と私はあらためて思った。

 しかし、つくる会教科書のことを知っていた人はほとんどいなかった。今まで知っていたのはたった2名。知っていた2名も、杉並で採択されたことは知らなかった。話を聞いて、彼女たちは、私が裁判をやっていたことにも驚いたようだったが、杉並の全ての中学生が右翼の教科書を使っていることに、「そんなことになっているの~!」と少なからず驚いていた。私は、いかにこれらの問題が知らされていないかを思い知った。いかにマスコミがさぼっているかが分かろうものである。

 勇を鼓して話してみてよかったと、私はつくづく思う。そして、気づく。ファシズムとは自分の心の中から始まるのだということに。言っちゃいけないと思い込み、口を閉ざしていた私。話してみれば、共感してくれることも多く、また彼らの意見を聞き、学校の状況など私が知らないことを知ることもできた。皆、一様に「こういうことも考えなくちゃいけないね」と言ってくれた。私は、皆、何も考えていないのではないかと思っていたが、とんでもない。自分の子どもの問題だから、やはり考えている。ちゃんと話しかければ、答えてくれるのである。私は、自分の話ができたのも嬉しかったが、彼女たちの考えを聞くことができたのもとても嬉しかった。ファシズムは口を閉ざすことから始まるのだ。

 こんなふうに皆の前で「つくる会」教科書が悪いこと、教基法の改定がちっともいいものではないと確信をもって言い切れるのも、裁判で教科書や教育基本法についてたくさんのことを学んだからだと思う。私は裁判で準備書面を書くために、つくる会教科書の何が悪いのか、教育基本法の改定のどこが悪いのかを、自分で調べて自分で考えた。だから、「つくる会」教科書が良くないものであることを断言できる。もし、裁判をやっていなかったら、何となく悪いものとしか語れなかっただろう。

 私は実績を積んだのである。

 今年は採択の年。教基法訴訟は上告。市民としてできるだけのことをしていきたいと思っている。それには、まず、身近な人と語ることがもっとも大切なことなのではないか。女がお喋りでいるかぎり、ファシズムはまだまだ遠いぞぉ~と心を強くするママ友ランチであった。

≪その他の裁判の報告&お知らせ≫

★つくる会教科書取消し住民訴訟・控訴審

 2008年12月22日、第2回口頭弁論が東京高裁にて開かれましたが、小林克巳裁判長は弁論を最後まで聞かないまま不当に結審、2009年2月18日、棄却判決となりました。今年は採択の年でもあり、動を集約するため、最高裁への上告は致しません。

★和田中夜スペ取消し訴訟

 2009年1月16日、第2回口頭弁論が開かれ、首尾よく陳述、ずさんな和田中地域本部の会計報告等について釈明を求めたところ、岩井伸晃裁判長は、なんと被告に対し、反論を求め、「できるだけ釈明要求に答えるように」と指示、次回の展開が楽しみになってきました。

和田中訴訟の次回口頭弁論:
2009年4月28日(火)
午前11:30~
東京地裁522号法廷にて
ぜひ傍聴をお願いします!

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ポケットに教育基本法の会

事務局:〒174-0063 東京都板橋区前野町4-13-3-301 (城倉)
  tel/fax03-5392-9554
  Eメール yukesika@sea.plala.or.jp
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# by kyokihoinmypocket | 2009-05-06 18:17 | ニュースレター

ニュースレター 第7号 2008.12.5

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ポケットに教育基本法の会 NEWS LETTER 第7号   
  2008年12月5日  

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〈TOPICS〉

★教基法訴訟・控訴審、第2回につなぐ!

10月28日、東京高裁にて、控訴審・第1回口頭弁論が行われました。

10名の傍聴者が集まってくださり、心強かったです。どうもありがとうございました! 私たちは約30分にわたり、首尾よく口頭で陳述、被告の書類不備等もあり第2回につなぐことができました。傍聴者にも「わかりやすい」と好評でした!

一方、「傍聴者が少ない。良い弁論だったのにもったいない」との声もあり、次回はもっと、皆さまにアピールしなければ、と気持ちを引き締めています。

傍聴をお願いします!

次回期日:2009年1月27日(火) 午後2時~2時30分
      東京高裁809号法廷 霞ヶ関A1出口すぐ


ヒラメ裁判官による一審判決を不服とし、またヒラメ裁判官に訴える私たちって?! 「改定教育基本法は憲法違反である」。
私たちは、ヒラメでも何でも、言いつづけます!
   
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控訴審・第1回口頭弁論報告

2008年10月28日、教基法訴訟の控訴審第1回口頭弁論が行われました。

控訴人(私たち)側は代表4名(城倉・渡辺・高瀬・富盛)が法廷に入り、被控訴人は弁護士ら7名が出廷。35分間にわたって弁論が展開されました。

しかし、予想通り裁判官は合議に。やはり審理しないで結審かと思いきや・・・?! 出廷した渡辺さんによるリアルな報告をどうぞ!    
   
◆裁判長が名乗った!もしかして人間?

東京高裁809号法廷。裁判官は、裁判長・原田敏章、氣賀澤耕一(右陪席)、加藤謙一(左陪席)の3名。裁判官は、開始予定時刻2時前に入廷しましたが、6名の被控訴人(国、自民党国会議員4名、公明党国会議員1名)のうち公明党国会議員の答弁書が、私たち4名の代表のうち3名に届いていないことが分かり、その確認のため、5分ほど時間を取られました。また被控訴人代理人のうち数名は遅刻し、2時5分、開廷が告げられました。

今まで、私たちは、第1回の時は開廷と同時に「すみません」と手を挙げ、裁判長が口を開くよりも先に自己紹介を求めていたのですが、何やかやと理由をつけて拒否する裁判長が多いため、その時間がもったいないということになり、今回は黙っていました。

すると原田裁判長は初めに私たち4名の名前を一人一人確認し、期せずして自己紹介したような形になりました。こんな裁判長は初めてです。

「ていねいな人だな。もしかして・・・」と、ちょっぴり期待感が膨らんできましたが、「いや、だまされてはいけない」と打ち消しました。なにしろ、今までの裁判官がひどかったからです。

「この裁判長なら」と思い、私は「外の表には裁判官の名前が4つ書いてあったので、3人のお名前を教えていただきたい」とお願いすると、裁判長はごく自然に、「原田です。(右陪席を指して)氣賀澤です。(左陪席を指して)加藤です」と教えてくれました。

これが普通の人間の対応です。さわやかでした。この前の裁判長は裁判官の名前の読み方がわからないと言っているのに(「長」さんは、「おさ」さんなのか「ちょう」さんなのか?)完全に無視したのです。

原田裁判長は「控訴人は控訴状、被控訴人は答弁書を陳述しますね」と言いました。城倉さんが「ちょっと待って下さい、口頭で陳述する時間を取ってくださっていますよね」と確認すると、「あとでまとめてやって下さい」と言いました。被控訴人のうち答弁書未送達の代理人は「口頭で棄却します」と言いました。

◆ 一審の審理不尽を指摘、抽象的憲法判断の必要性を訴える

それから裁判長は「口頭で陳述してください」と私たちに言い、城倉さんが控訴理由書の要点を陳述。

たった1回の口頭弁論で結審した地裁判決は原告らの主張に対する誤解を前提に議論を組み立てており、取り消されるべきであるとし、まず審理不尽の4点を指摘しました。

(1)被告太田明宏は答弁書において、訴状の「請求の趣旨」のうち改正教育基本法の憲法違反及び結論に対して「主張はすべて争う」としているのに、審理しなかった。

(2)原告は訴状及び準備書面(5)において、「やらせタウンミーティング」の違法性を主張したのに、なんら審理しなかった。

(3)原告が主張した改正教基法の違憲性について、何ら審理しなかった。

(4)原告、被告双方が引用し、主張が対立している「警察予備隊訴訟最高裁大法廷判決」について審理しなかった。

次に、城倉さんは原告らの主張に対する事実誤認について述べました。

原判決には「教育基本法の内容が原告らの政治的思想信条に反するものであり、原告らがその内容に不快の念等を抱いたとしても」とあるが、原告らは改正された教基法は憲法の内容に反しており、教基法改正は違憲立法行為であると主張しているのであり、裁判所としては「改正教基法が現憲法に適っている」と判断するならば客観的に条文に照らして判断すべきであるとしました。

さらに、今年の4月に名古屋高裁で出た「自衛隊のイラク派兵違憲判決」において相当程度抽象的な憲法判断は、政府のなし崩し的解釈改憲の歴史に歯止めをかける司法の快挙であったとし、憲法81条に定められた違憲立法審査権は抽象的憲法判断をも含むものであると主張しました。

教基法が改正されたことによって、教育関連3法が改正され、国の権限が復活され、教員への管理強化がすすみ、また、2008年4月に改訂された学習指導要領は道徳教育を重視するように変えられ、国家の「あるべき教育」を家庭に押し付けるものであると主張しました。     

◆憲法76条を忘れた裁判官、目を覚まして!

次に私が、第1回口頭弁論にあたって、公正・中立及び適正な訴訟指揮を求める準備書面(1)を陳述しました。

日本国憲法76条3項は、「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」と定めています。

ところが私たちがこの間起こしてきた6つの裁判(杉並教科書裁判等)で、裁判官は憲法のこの条文に違反し、法律を勝手解釈し、まともに審理もせずに門前払い判決を下してきました。

私は裁判官の顔を見ながら、裁判官にこの条文を思い出してもらい、良心を取り戻してもらうため、祈るような気持ちで陳述しました。

◆母親原告、改定による生きづらさ切々と

次に富盛さんが、小学生の子どもを持つ母親の立場から、準備書面(2)を陳述しました。

2008年3月に改定された新学習指導要領は、「日本会議」などの政治家の圧力によって中央教育審議会の答申から大きく変更されてしまったが、それは47年制定教育基本法が禁じていた「教育への不当な支配」を、改正教育基本法が許してしまったからであること。

新学習指導要領によって個人の思想信条の自由を踏みにじる愛国心の強制、国家のための個人を作ろうとする目標の設定が行われたこと。

そして学校から頻繁に新学習指導要領を解説した冊子や国家の考える「あるべき教育観」を押し付ける内容の小冊子が配られ(証拠として提出)、そのたびに精神的苦痛を感じ、子どもには、なぜこれらの冊子が間違っているかを説明しなければならず、大きな損害を被っていると、よく通る声で真剣に訴えました。

子どもを持つ母親の危機感がひしひしと伝わってきました。

◆証人申請と進行協議を求め、裁判所の真実究明義務を訴える

最後に控訴人の高瀬さんが、準備書面(3)を陳述しました。

富盛さんの訴えた新しい損害が発生したこと、証人尋問の必要性が不可欠であることから、進行協議を求めるとしました。

民事訴訟法243条1項では「裁判所は訴訟が裁判をするのに熟したときは、終局裁判をする」と定められており、「裁判をするのに熟した」とは、客観的に「熟した」時が必要なのであって、裁判所が真実究明義務を怠り、門前払い判決をしようとして結審する場合は、説明責任が生じると述べました。

その場合、裁判官は裁判をすること自体を放棄したに等しく、忌避されることを受忍しているものとみなされるとしました。

◆やっぱり合議。結審かと思いきや?!


陳述を終えると、裁判長は「合議します」と言いました。そこで、すかさず城倉さんが「何を合議するのですか?」と聞きました。すると裁判長は「それは言えません」と答え、扉の後ろに消えました。

私たちは合議に入ったら、結審と考え、忌避することに決めていました。しかし、裁判官たちはなかなか出てきません。こっちも合議です。

「長いね。どうしようか?」「でも絶対結審しかない。やっぱり忌避しよう」ということで、裁判長が扉を開けた瞬間、忌避うちわを掲げて、「裁判官を忌避します」と申し立てました。

以前、忌避した時、結審前の忌避なのに、結審後の忌避にされてしまったので、目立つように忌避うちわを作ったのです。

しかし裁判長は忌避を無視して、「証拠申出書(証人喚問)を却下しますが、むにゃむにゃ(理解不能)」と言いました。私が「わかりません。もう一度言ってください」と言うと、「証拠申出書を却下しますが、代わりに書面を出してもかまいません」と言いました。

え!結審じゃないの?と驚いていると、裁判長は答弁書未送達だった被控訴人に答弁書を送るよう指示しました。

私は、「あ、そうか。答弁書未送達だから結審できないのか。これは瓢箪から駒だな」と思いました。裁判長はそんな私を見透かすように、「証人尋問を却下しましたので、控訴人には尋問の代わりに何か提出する機会を与えます。また、答弁書に反論する機会を与えます」と控訴人に機会を与えると強調しました。

答弁書未送達のせいで結審できないことを隠しておきたいのだろうと私は思いました。

被控訴人のチョンボだとしても、弁護士と裁判官はオトモダチ、こんなつまらないミスで専門家たるものが素人に負けたと思いたくなかったのかもしれません。

そして次回期日を1月27日(火)午後2時からとして閉廷しました。

◆傍聴者の感想

閉廷後、報告会を行いました。良い口頭弁論だったのに傍聴者が少なくて残念だったという意見が多く出されました。以下、傍聴者の感想です。


「35分間にわたるすばらしい陳述でした。合議ということで、もうだめかと思いましたが、証人11人は却下したものの、次回につなげた。一審の審理不尽を徹底的にたたいたのが効いたのでしょう」(Tさん)

「一審は馬耳東風だったが、今回はそうでもなかった。裁判はやってみないと分からない」(Kさん)

「傍聴者が少ない。良い内容だったから、もったいないです」(Iさん)

「加藤謙一裁判官(左陪席)は、眠くて眠くてたまらず、必死になってまばたきして眼を開けようとしていた」(Kさん)

「裁判は全部ビデオに撮って見られるようにするなど、傍聴者のみでなく日本全国どこでも何らかの形で見られるよう公開すべきだと思う」(Kさん)

「裁判長は、聞こうとする態度が今までの人よりずっとよかった。でも、加藤裁判官は、半分寝ていた。原告の主張は分かりやすくよかった。現役の母親としての主張は感動した」

「被告弁護士の少なくとも1名も、居眠りしていた。答弁書が出ていないのに合議のうえ打ち切りならオドロキ!!一応次回期日が入ったが、次回打ち切りの予告かもしれない。ねじれ国会は空転状態。国会議員への働きかけも有効なのでは」(Tさん)

「今までも数回法廷に入る経験がありましたが、この裁判を通じ、改めて官営裁判の中味のない無味乾燥な形式のやり取りと進行、裁判の在り方に、疑問と不信を持ちました。権力の横暴に立ち向かうため、今後も辛抱強く、あきらめず、あらゆる機会に、小さな声でもあげ続けることの大切さを痛感しました」(Bさん)

「一審判決の脱漏を挙げる論が明解でした。私が裁判官なら全く肯いてしまう。『法律上の具体的争訟性あり』『原告の訴えを無化している』。同感です」(Oさん)

また、法廷に来られなかった原告Mさんからの手紙が読み上げられました。私たちはとても勇気づけられました。ありがとうございます!

<原告からの手紙(抜粋)>
「私は、現憲法に対する改変されてしまった教基法というのは、いずれ廃棄されるべきものと思っていますし、言ってみれば、洋装に下駄ばき同然の、陳腐そのものの、底知れぬ腹黒さを秘めた、性悪のものと思っているのです。

何はともあれ、問題の重大性からいって、これをたった一回の審理で片づけてしまった裁判官に激しい憤りを感じます。

けっこうな報酬を受けておきながら、こんな出鱈目しかやってない者は、ヒラメどころか、立派な公金泥棒と言うべきでしょう」(Mさん)

★★★ Pocket Column ★★★

今は門前払いでも、みなさまに支えられて行う先駆的な裁判!
          ――― 原告・渡辺

「教育基本法の裁判、やってる人でしょ?」
ある集会で、一人の男性から声をかけられました。
「は、はい(誰だっけ?)」
「原告になったYです」
と、名刺を下さって、やっと思い出しました。

「すごいよね。ニュースレター、いつも感心して読んでいますよ。僕は弁護士事務所に30年も勤めていました。弁護士もなくあれだけやってるんだからすごい。でも、どうせやるなら東京地裁以外でやりなさいよ。東京地裁はだめ。地方の方がまだ可能性がありますよ。・・・今は岐阜に住んでいます。東京の空気は腐ってるね・・・」

顔を覚えていて声をかけて下さるなんて感激です。Yさん、ありがとうございました。

また、先日、次のようなメールをいただきました。

「Wさんは、すごいと思います。Wさんの活動は、この時代で先に生まれてきた者として、後に続く若い世代のために責任を果たそうとするものだからです。たくさんの人の記憶に刻まれていると思います」

そして友人との会話の一部より。

私:私たちが何やっても何も変わらない…、空しくない?
友人:でも反対した人がいたっていうだけで違うと思う。
私:戦争中もそうだったしね。将来、歴史の教科書に載るかもね。そしたら未来の人たちが勇気づけられるかも。
友人:今だって勇気づけられている人はいるよ。

それから、控訴審第1回口頭弁論に来てくれた傍聴人のお一人が、富盛さんに「教育基本法が改悪されてしまってからもあきらめないで裁判官に直接意見を言ったのは日本中の母親の中であなた一人。どこかに書いて大勢に知らせなくちゃ」と言ってくださったこと・・・。
 
傍聴人は少なく、メディアももちろん取り上げず、この裁判のことを知っているのは日本中に数百人しかいないだろう。

裁判所からは相手にされず、今はほとんど知られることもないけれど、将来、日本に本物の民主主義が確立し、三権分立が実体化し、憲法違反の法律を裁く違憲立法審査権が認められたら、その時は先駆的な裁判として研究者によって研究され、歴史の教科書に載ると思う。

その日がいつ来るのか。私が生きているうちに来るとは思えないけれど、いつか来ることを信じて、前進あるのみ。     
   
≪≪Information≫≫


こちらの裁判(全て本人訴訟)の傍聴もよろしくお願いします♪

★ 杉並「つくる会」教科書取消し裁判・控訴審 第2回口頭弁論  

 2008年12月22日(月)午後1時40分~ 東京高裁511号法廷

★ 和田中夜スペ取消し裁判 第2回口頭弁論

 2009年 1月16日(金)午前11時30分~ 東京地裁522号法廷 

※地裁も高裁も同じ建物。霞ヶ関A1出口すぐ

◆編集後記

控訴審第一回は、意外な展開にびっくり。裁判長には珍しく、話を聞く態度も見られ、なんと次回もあるというオマケつき(ほんとに、ただのオマケかも?)。

何回目かの訴訟になりますが、つくづく裁判長によって、裁判の雰囲気、進行の仕方がまるで違うことを感じます。

裁判長の裁量で全て決まる。自由って、そういうことなんだなあとも思います。だからこそ、裁判官の良心が問われます。

裁判官が合議に入った時は、てっきり結審だと思いましたが、「第2回がある」と聞いて、私は控訴人席で「???」。答弁書未送達だから結審できなかっただけらしいですが、こんな展開もあるのかと、また一つ勉強になりました。

先日、高校のクラス会で、ウン十年ぶりに世界史の先生だった恩師に会う機会がありました。

先生は、最近の金融経済の破綻の仕組みからサブプライムローンの虚構を5分で語り、「君たちは今、かつてない激動の時代を生きている。しっかり眼を開いて歴史の生き証人になれよ」とおっしゃっていました。

歴史の大きなうねりの中では、私たち一人ひとりは、川底の小石のようなものなのかもしれません。

人間はただ、その波に転がされるだけなのか、それとも、一粒一粒の小石が、ちょっとでも自ら動き出せば、その流れを変えることができるのか。

民主主義の時代と言われて60年、個人が一人で立つことの意味を、いま一度、歴史に問われているような気がします。(富盛)

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次回傍聴をよろしくお願いします!
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次回は、教基法が改正されたために受けた損害をもう一つ準備書面にし、証人喚問を要求していた方に意見陳述書を書いていただき、提出する予定です。

私たちは傍聴者にもわかりやすい、開かれた法廷をめざし、毎回、口頭で陳述する時間を取ってくれるよう交渉しています。次回も30分は時間をとってくれますので、ぜひ傍聴にいらしてください。

★教基法訴訟・控訴審 第2回口頭弁論

2009年1月27日(火) 
午後2時~ 東京高裁809号法廷
霞ヶ関A1出口すぐ

カンパのお願い


控訴審第一回公判を終えて、大変盛り上がってきました。一回で結審とさせない奮闘ぶり、この調子で何回でも口頭弁論をたたかわし、原告・被告間の実質審理をし、良い判決をかちとりたいと願います。

原告のみなさんにも、傍聴支援のみなさんにも、熱い『ニュースレター』を逐次お届けしますから、ご期待ください。

ところで、この『ニュースレター』、原告全員に電子メール版と郵便版で配送していますが、一回に約1万円の経費がかかっています。

事務局の手元には、虎の子の34,112円があります。この先、「忌避(三回で約5千円)」「上告(約3万円)」など、物入りが予想されてもいます。

こういうわけで、カンパをお願いします。

いくらでもかまいません。そして、手弁当の本人訴訟運動で歴史を動かしましょう。

立憲民主主義の成熟した社会へと。(事務局・城倉)

<振込み先>
名  義:ポケットに教育基本法の会
口座番号:00100-8-356865

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ポケットに教育基本法の会

事務局:〒174-0063 東京都板橋区前野町4-13-3-301 (城倉)
  tel/fax03-5392-9554
  Eメール yukesika@sea.plala.or.jp
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# by kyokihoinmypocket | 2008-12-08 11:30 | ニュースレター

ニュースレター 第6号 2008.10.15

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ポケットに教育基本法の会 NEWS LETTER 第6号  
  2008年10月15日                   
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〈TOPICS〉

★教基法訴訟・控訴審がいよいよ開かれます!

東京地裁でたった一回の口頭弁論で結審され不当判決を受けた教基法訴訟。ヒラメ裁判官による判決を不服とする控訴審が、東京高裁でいよいよ始まります。

改定教育基本法は憲法違反である。私たちは、このことを控訴審でも、問いつづけます。

2008年10月28日(火) 午後2時~2時30分

東京高裁809号法廷 霞ヶ関A1出口すぐ

傍聴をお願いします!
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★「改悪教基法で、もうイヤ!」

あなたの一言を募集します!


教基法違憲訴訟は、市民が起こす裁判です。皆さまからも、多くの意見を募り、違憲性の証拠として提出したいと思います。教基法改悪に関する意見、また、改悪によって「こんな被害・実害を受けている」「子どもがこんな目にあっている」などの体験などを、メール、ファクス、手紙でお寄せください。

寄せられたご意見を、証拠として、裁判で使用させていただきます。

※今日の日本の裁判では、実害の立証がないと罪に問われません。司法は、裁判所の違憲立法審査権を封印、憲法違反の法律を作っただけでは罪にならないようになっています。違反なのに罪にならないなんておかしな話。駐車違反の切符は、被害届けがなくたってすぐに切るのに。これらの呪縛をとき、すっかり政治家のものになってしまっている司法を主権者の手に戻さなければ、公正な裁判など実現しないのです。あなたの一言、お待ちしています!

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◆控訴審で、リベンジ!

2008年10月28日、教基法の控訴審・第一回口頭弁論が開かれます。教基法訴訟は、一審で何も審理されないまま、たった一回で結審され、裁判官忌避を経て、この6月に不当判決を受けました。原告は、同月、一審判決への不服を申し立てる「控訴状」を東京高等裁判所に提出、8月に「控訴理由書」を提出し、同裁判所は控訴を受理しました。

本人訴訟であるこの一連の裁判では、教基法の改定に納得いかない市民が、自分たちの声を直接法廷に届けます。法律は誰のものか、司法は誰のものかを問いかける裁判でもあります。これまでの裁判所の対応は、全くお粗末なものでしたが、原告らは、主権者としての自覚をますます深め、法廷の場で、主権者が直接声をあげ続けることの重要性を実感しています。腐敗した司法を変えるのは、総理大臣でも法務大臣でもありません。私たちひとり一人です。

憲法32条 「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。」。

私たちにはこの32条で保障された裁判を受ける権利があります。本件の原告の訴えに対し、一審で何の審理もされなかったことは、私たちの裁判を受ける権利が奪われていることに他なりません。

◆見ごたえタップリ。30分の口頭陳述をゲット

第一回口頭弁論では、30分の陳述時間を確保しています。これも原告らが口頭での陳述を求めてきた成果です。口頭で陳述し、わかりやすい裁判を実現することは、司法を主権者の手に取り戻す第一歩と考えています。

原告団は、この30分を有効に活用したいと思っています。控訴理由書のほか、複数の準備書面と証拠申出書を提出し、審理の材料をたくさん用意しました。これらを口頭で説明し、裁判官に審理を求める予定です。

控訴審で、原告は不当判決について立証します。一審判決は、違憲立法によって原告が受けている権利侵害を、根拠なく「不快の念」と言い換え、原告の訴えに対する判断を示さず、いわば裁判官の意図的な誤認と理由齟齬で判じられたものです。いわゆる門前払い裁判であり、東京地裁は審理を怠りました。

高等裁判所は、原告の申し立て、及び被告側(国)の答弁を受け、判決が妥当であったかどうかを審理することになります。公正な判断を求めるには、まず審理しなければ始まりません。門前払い裁判は不当であることを訴え、ヒラメ裁判官が主権者のほうを向かざるを得なくなるよう、粘り強く審理を求めます。

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◆控訴理由書の概要

控訴理由書では、4つの観点から判決が不当である理由を述べています。つまり、一審における「審理不尽」「事実誤認」「判決理由の齟齬」、訴えに対する判断が漏れているとする「判決の脱漏」の、4つです。

また、5番目の観点として、「改正教育基本法施行の影響」により、教育関連3法の改定、学習指導要領の改定が行われ、教員・教育委員・子ども・家庭への不当な支配が起こり、原告らへの被害が拡大していると述べています。

1.審理不尽

① 一審の答弁書において、被告である公明党の太田昭宏議員は、原告の請求原因について「争う」と答弁しているにも関わらず、口頭弁論が全く成されなかった。

② 改定教基法を通すために行われた「やらせタウンミーティング」について、原告は、証拠保全、事実認否を求めたが、却下。真実究明の努力は何らなされなかった。

③ 原告は、『子どもの権利条約』および「旭川学力テスト事件大法廷判決」(最高裁昭和43年)を引用して改正教基法の違憲性を主張したが、実質審理がなされなかった。本訴の本質に関わる、子どもたちの人権に関しての審理が全くなされなかった。

④ 憲法で定められた裁判所の違憲立法審査権は、半世紀以上も前の昭和27年「警察呼予備隊訴訟」最高裁判決に縛られ、行使されたことがない。この判例に関して原告は審理を求め、被告もこの判例を盾にしている。にも関わらず、審理がなされなかった。

2.原告らの主張に対する事実誤認

原判決7頁に、「教育基本法の内容が原告ら又は選定者らの政治的思想信条に反するものであり、原告ら又は選定者らがその内容に不快の念等を抱いたとしても」とある。この部分は原告らの主張を誤解しているか、故意に矮小化している。

3.判決理由の齟齬

原判決には法律や判例の解釈の相違による判決理由の齟齬が見られる。日本の司法においては判例主義を採らないので、古い判例にとらわれず、時代の要請に応える解釈が可能である。

(1)抽象的憲法判断は可能

憲法81条は「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である」と定めている。違憲の疑いが強い立法行為に、三権分立の立場から適正な牽制を加えることは、違憲立法審査権を形骸化させないことによって初めて可能である。

(2)違憲立法を行った国会議員の免責特権は無効、賠償責任を

憲法51条は「両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない」と定めている。前述81条の存在から違憲立法に関しては、国会議員はその責任を問われると、51条は解される。違憲立法であるならば、憲法99条の定める憲法尊重・憲法擁護義務にも反し、この点でも国会議員の免責特権は用いられえない。

(3)憲法の一義的な文言にも違反

原判決は、「改正教育基本法は憲法の一義的な文言に違反していない」とするが、以下の諸点で一義的に違反している。 

 ①前文において憲法との密接な関係を削除していること。現憲法を改正しなくてはこのことは許されないので、違憲立法である。

 ②「第2条 教育の目標」の新設。特に第2条5項で「我が国と郷土を愛する態度」を教育の目標としていること。憲法は教育の目標を国権が設定することを第13条・19条・20条で禁じているので違憲である。

 ③「第10条 家庭教育」の新設。子の教育について保護者は「自立心を育成し、心身の調和の取れた発達を図るよう努めるものとする」とあるのは憲法26条2項違反である。

 ④「第16条 教育行政」において、教育が主権者全体に責任を負うことを削除したこと。憲法前文に謳われ、三大原則の一つである「主権在民」に違反する違憲立法である。

(4)懲罰的損害賠償について

原判決は、最高裁平成5年(オ)1762号同9年7月11日第二小法廷判決・民集51巻6号2573頁を引きつつ、懲罰的損害賠償を「我が国における不法行為に基づく損害賠償制度の基本原則ないし基本理念と相いれない」とする。しかしこれはカリフォルニア州の懲罰的損害賠償についての外国判決の承認執行の要件としての判示に過ぎず、同判決の射程距離は本件には及ばない。

4.判決内容の脱漏

(1)憲法及びこどもの権利条約に基づく判断の回避による脱漏

判決は、原告が何ら主張していないことを理由にあげ、原告が求める憲法判断、こどもの権利条約に基づく判断を回避している。

(2)「やらせタウンミーティング」の脱漏

原告は、被告らによって成された「やらせタウンミーティング」について争訟を求めている。しかし、この事実について、判決は一言も触れていない。

(3)原告の権利侵害の事実に関する脱漏

原判決は、教育基本法の成立によって直ちに、原告らが「国を愛する態度を強制されたり、その思想及び良心の自由を侵害されたりするものではない」としている。しかしながら、教基法成立後、原告は、直ちに、国を愛する態度を強制され、思想及び良心の自由を侵害されている。原告の権利侵害について審理・判断を欠き、判決の脱漏である。

(4)被告らの憲法99条違反についての脱漏

原告は、被告らが、憲法99条に定められている憲法擁護義務に違反すると主張しているが、判決では、これについての判断が全くなされていない。

5.改正教育基本法施行の影響

(1)教育基本法が改正されたことによって、教育関連3法が改正された。

①地方教育行政法の改正では、文部科学省による教育委員会への是正の指示・要求権ができた(48条)。教育長の権限がより強まった26条の内容によっても、国による「不当な支配」は補強される。憲法第8章の「地方自治」の趣旨にも反する違憲立法である。

②教員免許法改正では10年に一度、免許が更新制となり、教員への管理が強化された。この制定趣旨および立法行為は憲法27条の勤労の権利に対する侵害である。

③学校教育法改正では、副校長や主幹などが置かれ、学校の運営体制が強化される。文部科学大臣が教育課程に関する事項も定めうる(52条)。これらの改正は現場の教員の自主性を破壊する行為である。また、義務教育での普通教育の規定の中に、「愛国心教育」が強調され、憲法13条・19条・20条違反である。

(2)改正教育基本法を盾にとる政治家からの不当な圧力もあり、2008年4月に改訂された学習指導要領の中身は道徳教育を重視するように変えられた。それに伴い文部科学省は小冊子『生きる力』を公立校で税金を用いて印刷・配布した。その最後の頁には安易な内容のチェックリストがあり、明らかに、国家の考える「あるべき教育」を家庭に押し付けている。

それに呼応して東京都は小冊子『万引きは絶対ダメ!』を公立校で税金を用いて印刷・配布した。その最後の頁には安易な内容のチェックリストがあり、明らかに子どもたちの心のありようを支配しようとしている。
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◆控訴する思い  ――――― 原告・岡田

「行政は平和と人権を守れ」という憲法の根本原則を、教育によって確かなものにしようと1947年の教育基本法がつくられました。つまり「個人の尊厳を大切にし、普遍的な真理と平和を希求する人格の完成をめざす教育」を実現するための法規が教育基本法なのです。それが2006年に強引に改変され、憲法の平和・人権原則とは真逆の“行政による国民支配、個人より国家を尊重し権力に黙って服従する国民造りをめざす教育”のための基本法に改変されてしまった、これは絶対放っておけないと、裁判所に訴えたのです。          

裁判所の役目は、憲法に基いて行政の違法を糾し、行政の横暴から人々を守ることです。だから私たちは裁判に訴えた。ところが東京地裁の判決は信じがたいほど憲法問題に全然ふれず、“原告の言い分相手にせず”の不当なものでした。行政権者が好き勝手に教育を支配して、教育を「権力者に都合よい人材つくり・兵隊つくり・ロボット造りの道具」にしてしまうことの国家的過ちについて全く審議していない。「たまたま私たち特定の何人かが政府と“政治的思想信条が違う”だけ」、「単に私たち何人かが政府に不快の念を持っただけ」の、とるに足らない原告の感情問題にすぎないから「がまんしなさい」というようなコバカにした判決文でした。さらに判決文は私たちが指摘した政府の不正には一切触れていません。 政府は高額の税金を費やしたやらせのタウンミーティングで世論を捏造して強引に教育基本法を改変しました。そのことはすでに事実として国会でもバレており、総理大臣はインチキを認め一応の謝罪までしている。「教育に心の正しさ・道徳の徹底を」と高言する政府が、八百長のズルイ汚いやり方で世論を誘導してまで違法を押し通しました。この不正を全く無視して判決文を書いた裁判所は「三権分立、司法の独立」を投げ出し行政の奴隷を演じています。東京地裁は国民でなく行政を守る、行政のゴマスリに成り下がってしまったみたいです。だから私たちは地裁の判決を受け入れるわけにはいかないのです。控訴するしかないのです。教育基本法の改変つまり行政による教育支配は、国民を“人格”でなくて政府が利用するための“人材”としか見なさない行政の悪意です。 

教育を政府文科省の私物にして「国民を調教・訓育」する、言うことを聞かない人は暴力と厳罰で排除する、日本がまたまた未来を誤って権力者の利権を第一とする非人間的暴力国家となる道を暴走し始めたようで心配でたまりません。

高等裁判所が今度こそ、裁判所として「行政の違法を糾して国民をまもる」責務をしっかり果たすように、しっかり働きかけなければなりません。

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ポケットに教育基本法の会

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