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by kyokihoinmypocket
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ポケットに教育基本法の会 NEWS LETTER 第5号 

 2008年6月11日
                   
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〈TOPICS〉

★東京:教基法訴訟に却下の判決。控訴へ 
2007年9月に「改定教育基本法は憲法違反である」と提訴した教育基本法違憲訴訟に却下の不当判決が下されました。私たちは、あきらめずに控訴します!

<今後の予定> 控訴状提出:6月18日(水) 控訴理由書提出:8月7日(木)
   
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◆教基法訴訟、却下判決

2008年6月5日、改定教育基本法違憲訴訟に対する判決の言い渡しがありました。裁判官忌避が地裁、高裁の却下の後、3月14日に最高裁で却下され、昨年11月に不当に結審された本訴の判決がようやく出たということです。

結果は、却下・棄却です。「却下」はいわゆる門前払い、「棄却」は理由があって退ける、という意味ですが、本判決は「理由がない」という理由で棄却されています。言い渡しは1分もかからず、閉廷。原告席から「真面目にやって下さい!」「何も審理してないでしょ!」と声が上がりました。判決文を以下に報告します。

(主 文)

1 本訴訴えのうち、次の各請求に係る部分を却下する。

(1) 教育基本法(平成18年法律第120号)が憲法違反であり無効であることの確認を求める請求

(2) 被告国に対して金銭の支払を求める請求のうち、選定当事者である原告らが別紙2記載の選定者のためにする請求及び同別紙記載のその余の原告らの請求

2 原告らの被告らに対するその余の請求をいずれも棄却する。

3 訴訟費用は原告らの負担とする。

理由・(裁判所の判断)

1 教育基本法の違憲無効確認請求について

 裁判所法3条1項の規定にいう「法律上の争訟」として裁判所の審判の対象となるのは、当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争に限られるところ、このような具体的な紛争を離れて、裁判所に対して抽象的に法令が憲法に適合するかしないかの判断を求めることはできないものというべきである(最高裁昭和27年(マ)第23号同年10月8日大法廷判決・民集6巻9号783頁、同平成2年(行ツ)第192号同3年4月19日第二小法廷判決・民集45巻4号518頁参照)。

 教育基本法の内容が原告ら又は選定者らの政治的な思想信条に反するものであり、原告ら又は選定者らがその内容に不快の念等を抱いたとしても、教育基本法が成立したことによって直ちに、原告ら又は選定者らが国を愛する態度を強制されたり、その思想及び良心の自由を侵害されたりするものではないから、原告ら又は選定者らがその権利利益を侵害され又はその法律関係に影響を受けるものとはいえない。

 そうすると、本件訴えのうち、原告らが被告らに対し教育基本法が違憲無効であることの確認を求める請求に係る部分は、裁判所に対し、具体的な紛争を離れて、抽象的に教育基本法が憲法に適合するかしないかの判断を下すことを求めることに帰するものであるから、裁判所法3条1項にいう「法律上の争訟」に当たらない不適法な訴えというべきである。

2 被告国に対する請求について

(1) 乙第1号証及び弁論の全趣旨によれば、別紙2記載の原告ら及び選定者らには、松山地方裁判所において、国が違憲無効な教育基本法を成立させ原告らに精神的苦痛を与えたなどと主張して国を被告とする国家賠償を求める訴えを提起し、当該訴え(同裁判所平成19年(ワ)第344号損害賠償請求事件)は、現在も係属していることが認められる。当該訴えは、本件訴えのうちの被告国に対する請求に係る部分と訴訟物を一にするものというべきであるから、本件訴えのうち、別紙2記載の原告ら及び選定者らのための請求に係る部分は、民事訴訟法142条(二重起訴の禁止)に反する不適法な訴えというべきである。

(2) 教育基本法の成立によって原告ら又は選定者らの権利利益が侵害されたといえないことは、前記説示のとおりであるから、原告らの被告国に対する損害賠償請求のうち、別紙2記載の原告ら及び選定者ら以外の原告ら及び選定者らのための請求は、理由がないというべきである。

 また、原告らは、被告国に対し、懲罰的損害賠償の請求をしているが、懲罰的損害賠償は、我が国おける不法行為に基づく損害賠償制度の基本原則ないし基本理念と相いれないものであるから、その請求をすることは許されないものというべきであり(最高裁平成5年(オ)第1762号同9年7月11日第二小法廷判決・民集51巻6号2573頁参照)、原告らの上記請求には、この点でも、理由がない。

3 被告小杉隆、被告下村博文、被告木村勉、被告島村宣伸及び被告太田昭宏に対する損害賠償請求について

 原告らの、被告小杉隆、被告下村博文、被告木村勉、被告島村宣伸及び被告太田昭宏に対する損害賠償請求は、同被告らの国会議員としての職務行為の違法を理由とするものと解されるところ、公権力の行使に当たる公務員の職務行為に基づく損害については、国又は公共団体が賠償の責めに任じ、職務の執行に当たった公務員は、個人として、被害者に対し、その責任を負担するものではないというべきである。(最高裁昭和28年(オ)第625号同30年4月19日第三小法廷判決・民集9巻5号534頁参照)。したがって、原告らの請求のうち、上記被告らに対して損害賠償を求める請求は、理由がない。

4 結 論

 以上によれば、原告らの訴えのうち、被告らに対し教育基本法の違憲無効の確認を求める請求に係る部分並びに被告国に対して金銭の支払を求める請求のうち選定当事者である原告らが別紙2記載の選定者のためにする請求及び同別紙記載その余の原告らの請求に係る部分は、いずれも不適法であるからこれを却下し、原告らの被告らに対するその余の請求は、いずれも理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。

東京悲報裁判所民事第24部

裁判長裁判官 矢尾渉/裁判官 澤野芳夫/裁判官 長 博文

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◆教基法訴訟、控訴へ

控訴は、判決への不服となるので、控訴理由書は判決に対する反論を作成します。現在、次のような点から分析が進められています。

1.審理不尽

・ 被告が争うと主張しているのに、反論させずに結審したこと。

・ 最高裁S27年10月8日大法廷判決を引用しているが、原告は、同じくこれを引用し先例としての無価値を主張し争点を提起している。判決は反証がなく、審理不尽。

・ 判決は、原告らの思想信条からのみ提訴しているかのような偏見ある解釈を導き、「不快の念を抱いたとしても」「教基法の成立によって直ちに自由を侵害されるものではない」など、抽象論を振り回している。

・ 「公権力の行使にあたる公務員の職務行為」に基づく損害は個人の責任は無い」としているが、原告らは被告らの不法行為において争点主張をしている。法解釈、立法経過や違法操作など審理不尽である。

2. 理由齟齬

・ 判決は、「法律上の争訟にない」「具体的な紛争を離れている」など法制上の解釈に矮小化している。

3. 判決の脱漏

・ やらせタウンミーティングについて何も言及していないこと。

・ 憲法判断、こどもの権利条約に基づく判断を回避していること。

・ 国会議員は憲法を守る義務があると定めた憲法99条についての言及がないこと。

4.事実誤認

・ 「原告ら・・・が権利利益を侵害され・・・るものとはいえない」という判断は事実誤認。わたしたちはこどもたちの人権と合わせて主張している。お金に換算できる類の損害ではないが、すでに新学習指導要領によって、こどもへの人権侵害は起こっている。

・ 「懲罰的損害賠償は・・・我が国における・・・損害賠償制度の基本原則ないし基本理念と相いれない」という判断は事実誤認。

・ 国会議員の免責特権は、違法な立法行為に対しては該当しない。憲法99条に照らしても今回の事例では認められない。また、免責特権は違憲立法審査権と緊張関係にある。憲法違反の疑義のある法律をつくることに、この特権は用いてはならない。三権分立の脆弱な日本社会にあっては、違憲立法審査権の行使こそが、立憲民主主義に資する。

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◆判決を終えて――――原告の感想

教基法判決の感想――(渋川)

6月5日に東京地裁で教基法違憲訴訟の判決言い渡しがあった。裁判長は主文のみ言い渡し、「すべて却下」の判決は数十秒で終わり・・・。 以前「3分診療」で問題になったことがあったけれど、3分のなんて長いこと。こっちは数十秒ですよ、数十秒。

矢尾渉裁判長ははじめての時、明らかに私たちに対して悪意と思える態度(上から見下す態度、全く無視)を見せていたけれど、今回はそれほどあからさまではなかった、というか、そんな態度をとる時間もなかった。でも私は前回と同じ雰囲気を感じてしまった。人間としての温かみは全く感じられず、その顔に人間性欠落をみる思い。両横の澤野、長裁判官の表情も能面のよう、3人とも人生楽しくないのだろうな。

裁判は勝つとは限らない、特に行政裁判はほとんどが敗訴ときく。でも毎回ながら真剣に審理したあとが全くみられないのが、悔しくてならない。せめて真摯に審理してくれていたら、すこしでもそのような形跡がみられたら、裁判官に原告に対するまじめな言動がみられたら、ここまで情けない、むなしい思いはしないのに、あまりにもひどすぎる。

日本の中枢そのものの霞ヶ関の裁判所でこのような不当な裁判が行われているのを、日本中の何人の人が知っているのだろうか、と思ってしまった。もっと多くの人びとにこの事実を知ってもらいたい。私も今までは全く知らなかった、気づく機会さえなかった、でもこの年(すでに年金をもらっている)でこの理不尽さを知ってしまった。それは不幸なこと?でも誰かが言っていた「あきらめた時が負けよ」。

知ってしまったからには、この動きを続けなければと思う。幸いにして、素晴らしい仲間がいる。(私はただのプラス ワン だけど)

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判決裁判に出席して――(小嵐)

開始にあたっては、権威主義をふりかざすつもりはないが、けじめはけじめとして、はっきりとした形で開始されるべきと思うが、なんとなく始まってしまったという感じであった。

判決内容も原告にはっきりと聞こえるように発言すべきだが、声が小さく不明瞭であり、私には発言内容が理解できぬままに終わってしまったようで、終決のけじめもはっきりせず、こそこそと退廷して行ったのは、よほど自分の下した判決に自信がなかったせいであろうか。

憲法裁判所のおかれていない我国では、すべての裁判所がその任を担うべきであり、今回の判決のようにその任を自ら放棄したのは甚大なる任務放棄と云わざるをえない。

総じて云えるのは、東京地方裁判所は国民の真摯な訴えに対して、真面目に対応しようという姿がひとつも見えず、非常に恐ろしいことであると云わざるをえない。他の裁判所も同じなのだろうか。少なくとも、過日名古屋高裁のイラク派兵差止め訴訟ではそうではなかった。私も原告の一人として毎回出廷していた。ただし、同訴訟の一審は今回の東京地裁と同じであった。司法の崩壊はおそろしい勢いで進んでいるのではなかろうか。そうであれば、一大危機と云わざるをえない。

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司法までもこれで良いのだろうか――(小海)

行政府である政府が、立法府である国会が暴走し、健全な機能をしていない時に、国民が頼るのは司法です。それが三権分立というものです。「国民の思想及び良心の自由」を保障する現日本国憲法のもとに制定され、教育行政の基本法として定められた教育基本法を、現日本国憲法を改訂する事もなく、憲法の中心理念とも矛盾するような形で「改悪」する、しかもプロセスにおいてもそのことが選挙の争点でもなかった「郵政改革」選挙で多数を占めたことを良いことに、政府側も認めざるを得なかった「やらせタウンミーティング」、審議無しの「強行採決」の濫用という乱暴なプロセスで教育の基本法が「改悪」されるという行政府・立法府の「暴走」を目の当たりにして私たちはこの裁判を起こした訳です。この教育基本法「改悪」は憲法違反ではないか。行政と立法に携わる者たちは憲法遵守の義務があるはずなのに、それをここまで無視して良いのか。せめて基本法をいじるというならもとにある憲法を変えてからすべきではないのか。至極まっとうな判断を司法に出して頂きたいと求めた裁判でした。あの強行採決がなされた瞬間、私も国会を取り巻いていた人だかりの中にいました。そこでも同じく司法をつかさどるプロの弁護士たちの団体も同様の声明を公表していたのを思い起こします。私たち素人が思うだけでないのです。

しかし今回東京地裁は一回結審、被告の何人かの議員たちからも意見陳述の要請があったにもかかわらずそうした場を設けることなく憲法判断を避けた門前払いのような判決を下しました。まことに不当です。

裁判長たちもいかにも後ろめたそうな感じで、原告である私たちと目を一切合わそうともしませんでした。57ページに及ぶ判決書も後ろめたさの現れでしょう。しかし内容は極めて薄いもので、10頁以降は別紙資料です。

裁判員制度も始まるというのに、ここまで司法が国民の気持ちと乖離し、非人間化するものかと、私はあきれました。危機感も覚えました。

とくに私たち原告・選定者に具体的実害・侵害が無いので(東京都や杉並区の教育行政の現実の中でいくらでも実害は挙げられるのでは?)、この裁判は「抽象的に…憲法に適合するかしないかの判断を求める」ものだから「不適当な訴えというべき」という裁判長の主張は到底納得できるものではありません。「個人の内心まで踏み込まない」はずだったのに日の丸・君が代強制で処分者が続出しています。歴史改ざん教科書が押し付けられ、その採用プロセスの不正を告発した教員が「守秘義務違反」の名目で別の区へ飛ばされています。具体的に現在も「改悪」された教育基本法のもとに教師も生徒もさらされて、実害を受け続けているのです。区立中学に子どもを通わせている保護者として耐えられない思いです。もちろんすぐにストレスで病気になったとか、知識・教養に偏りが出来、生涯ハンディーを抱えることになったといった類の「実害」ではないかもしれませんが、何か身体を確実に蝕むことがわかりきっている農薬付けの野菜を無理やり食べさせられているような思いです。この判決に満足することは到底できません。
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◆会計報告                               

 2008年6月11日現在

収入   220,000円

  会費   198,000

  カンパ  22,000

支出  135,358円

  通信費  91,550

  印刷費  19,697

  生田氏宿泊費 8,040

  事務用品費  16,071  

差引き残高 84,642円
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# by kyokihoinmypocket | 2008-12-08 11:24 | ニュースレター
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ポケットに教育基本法の会 NEWS LETTER 第4号   

2008年2月13日

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★ 教基法・つくる会教科書裁判の合同ミーティング報告
★ 教基法訴訟(東京):裁判官忌避は棄却、控訴へ
★ 教基法訴訟(横浜):第2回口頭弁論で結審
★ 杉並つくる会教科書裁判、棄却の判決。控訴へ
    住民訴訟・棄却(1/10)・安倍裁判・棄却(2/12)
☆ 控訴準備ミーティング:3月8日(土)1時~ 荻窪教会
 教科書・教基法裁判の控訴準備等を行います。興味のある方はぜひご参加ください

2008年1月31日、教基法及び「つくる会」教科書裁判の原告が集まり、合同ミーティングが開かれました。どの裁判も結審され、控訴など今後の方向を話し合う時期になっていたからです。栃木の教科書裁判のため高松から生田弁護士が上京する機会に合わせ、生田さんを含め8名が集まりました。判決の読み方、控訴の勉強会も兼ね、さまざまな意見を交換しました。 まず、それぞれの裁判の経緯を報告します。

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◆教基法訴訟(東京)の経緯


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2007年11月14日の第一回口頭弁論において不当な結審をされた原告団は、不衡平な訴訟指揮に対し裁判官忌避を申し立てました(11月16日に正式に書面で忌避申立書を提出)。この忌避は、裁判官忌避事件として、別の訴訟になっており、これが解決するまで、原事件である教基法訴訟の判決言い渡しは延ばされます。

この裁判官忌避訴訟は、12月4日に却下の決定が出て、私たちは次の段階として12月13日、高裁に即時抗告、これも12月26日に却下の決定が出ました。そして最終段階として1月23日最高裁に特別抗告を行い、現在、決定が出るのを待っている状況です。

この決定が出たら(おそらく棄却)どうするか、ということで意見を出し合いました。
私たちは、忌避の申立人を二つに分け、今回の裁判官忌避は第一弾で、第二弾の忌避を予定していましたが、地裁→高裁→最高裁まで争う一連の書類提出手続きの負担感が大きいという感想が聞かれ、第二弾はやめ、控訴の方向へ動くことが決定しました。

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◆横浜の教基法訴訟も結審

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昨年10月16日に訴状を提出し、11月26日に第一回公判が開かれ、裁判官小林 正は、被告文部科学省、河野洋平、河野太郎の裁判を結審し翌2月27日に判決するという訴訟指揮を行いました。翌1月28日の被告国、被告松あきらの公判で、この訴訟も、これで結審し、2月27日に判決という訴訟指揮を行いました。これに対し、私は、河野両名の公判再開の要請を請求しました。これに対する回答は未だありません。司法の権力寄り発想、行動は無惨です。この実態を実感しています。   (二田水)

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◆杉並・つくる会教科書裁判、棄却。控訴へ

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杉並で採択された「つくる会」教科書の取消しのため起こされた二つの裁判は、住民訴訟が1月10日、安倍裁判が2月12日、棄却の判決が出ました。判決の内容は、住民訴訟は「教科書採択に関する公金支出は行政処分には当たらないので訴えは不適法である」という典型的な門前払い。安倍裁判は「安倍晋三が『つくる会』を応援しても教育への不当な介入には当たらない」という内容。私(富盛)は、G・オーウェルの『1984年』で独裁者が「2+2は5である」と主人公に思い込ませていくくだりを思い出し、ぞっとしました。『1984年』の独裁者は「戦争は平和だ」とスローガンを掲げていましたが、たとえ安倍晋三がそう言っても、憲法違反にはならない、と判決は告げています。

しかし、私たちは「2+2は4」だし、「戦争は平和なんかじゃない」と知っています。今ならまだ、そう言えます。杉並の教科書裁判は、控訴に向けて再スタートを切ります。

◆控訴のポイント~杉並・教科書裁判から

 生田弁護士によると、控訴によって市民の力がつくとのこと。判決と照らして「ここがおかしい」ということをさらに主張していくことで訴訟力が養われます。

「つくる会」教科の住民訴訟は、すでに控訴状を出し、理由書を3月13日までに提出する予定です。原告は、その控訴理由書を分担して書くことになりました。ミーティングでは、杉並・住民訴訟の判決文を参考に、控訴のポイントについて話し合いました。

● 原則は、判決に対する反論の展開
控訴では、一審判決に対する不服申し立たになるので、基本的には判決のポイントに対する反論となる。

●理由書のポイントは幅広く立てる
控訴は、一審と違い、控訴理由書を出した後で、準備書面で新しい主張を加えることができない。従って、理由書で全ての主張を出しておく必要がある。反論しきれなくとも、主張の項目だけは立てておき、内容は準備書面で言うことはできる。理由書で、できるだけ主張の項目を挙げ、幅広く弁論を展開できるよう、間口を広げておくことが大切である。

●「判決の脱漏(だつろう)」を探す
杉並のつくる会教科書住民訴訟の判決をみると、原告の主張したことすべてに対して判決を下していない。これは、「判決の脱漏(だつろう)」と言って、裁判官の極めて重大な怠慢、もしくは過失、違法行為。控訴状では、もう一度、原告の訴状および準備書面を読み直して、どの部分の判決が抜けているかチェックし、「判決の脱漏」を指摘する。

●門前払いの理屈に惑わされず主張を展開
判決文には、ときどき読む側がキツネにつままれたような気分になる文章がある。たとえば、住民訴訟では、教科書採択に使った公金の違法支出を問題にしていたが、判決では「公金支出の行為は、無効確認の対象として適格を欠く」とある。読んだ原告は、「は?どういうこと?」「訴え方がまちがってたの?」と思ってしまう。しかし、これは、屁理屈であり、「ヘンなことに使ったおカネなら、無効に決まってるじゃないか!」と反論していかなければならない。「そもそも訴訟としての適格を欠く」という言い方は、門前払い裁判の常套句なので、気にせず主張を繰り返す。もしくは、「行政行為」「行政処分」とは何かの定義を、こちらの理論として展開し主張を補強していく。

● 請求原因事実の拡張
おそらく教基法訴訟の判決は、「教基法改悪が違憲であるという訴えは、訴訟として成り立たない」、つまり争訟性がないとして却下されるだろう。しかし、安倍前首相の不法行為であるという点では、訴訟として成り立ち、争訟性が出てくる。安倍裁判の控訴の時には、請求原因事実の拡張として、安倍の不法行為を加える。

●行政訴訟法・第23条の二項の活用
行政訴訟法は2004年、37年ぶりに改正された。この改正の際、加えられた第23条の二項(釈明処分の特則)を活用する。これは、裁判所が、必要と認める時には、被告である行政側に対し、処分や裁決の根拠となる法令の条項、処分や裁決の原因となる事実や理由を明らかにする資料の提出を求めることができる、という規則。控訴では、一審判決が、どこで、どういう決め方で出された裁決なのか、根拠規定をこまかく求めていくとよい。単に「根拠を示せ」ではなく、この釈明規定の条文を示して、緻密に闘っていくことも必要である。

◆控訴以外の闘いも

一審を経て裁判の現状は、なるべく市民の訴えに耳を傾けないですむような仕組みになっていることが分かってきました。そこで、行政を訴えるのみでなく、同時に裁判所自体の体質を変えていく努力も重要だと私たちは考えています。これまでにも、裁判官忌避をコマメに申し立てることで抗議してきましたが、以下のような活動も追々始めていければと思います。

●弾劾裁判所に訴える
国会議員で構成される弾劾裁判所に、不当な裁判官を訴える。裁判官の訴追請求を行う。

●東京弁護士会の法廷委員会に訴える
東京弁護士会の弁護士で構成される法廷委員会。不当な対応を行った裁判官、不当な訴訟指揮を執った裁判官を訴えることができる。

●裁判オンブズを立ち上げる
官僚裁判官のみで裁判を行っているのは日本だけ。諸外国では、陪審制、参審制であっても、オンブズが存在し、市民が裁判を監視しているケースが多い。日本も裁判員制度導入を控えてはいるが、市民の監視なしの導入はむしろ危険である。裁判オンブズの立ち上げが必要である。

★質問コーナー★

Q: 民事訴訟と行政訴訟の違いとは?

A: 日本においては、民事訴訟か行政訴訟かの定義は曖昧。あえて定義していません。というのも、裁判所としては、できるだけ民事訴訟にしたいとの思惑があるから。行政訴訟になると、最高裁への報告義務が生ずるなど、ややこしくなります。市民の行動を制限したい事柄はがんじがらめにしておくのが日本の社会です。行政訴訟にしたい場合は、「行政事件」と明記します。但し、行政事件だと裁判所との闘いになります。なお、民事訴訟は原則として裁判官は単独、行政訴訟は複数の裁判官が対応する合議体で行います。民事訴訟の場合でも、重要案件は合議体で行われます。

★生田弁護士からのメッセージ★

政治も裁判も、インフォームドコンセント!

日本の社会でも、現在は、ビジネスや医療などいろいろな分野でインフォームドコンセント、つまり「説明と同意」が当たり前になってきています。政治や裁判所だけが遅れているのです。お任せではなく、つねに説明と同意を求めていくことが、これからの市民社会には必要です。日本人は他力本願だからとか、争いを好まない国民だから、と言われますが、日本人が訴訟を好まない、ということはありません。江戸時代には多くの訴訟が町人や農民によって起こされていました。訴訟が少なくなったのは明治になってから。権力によって巧みにやられたと言えますね。私たちは、奪われた訴訟力を取り戻さなければならないと思います。

★参加者の声★

裁判オンブズでつなぐ、運動の輪

裁判オンブズは非常に面白い試みだと思う。さまざまな訴訟をつなぐ接点になり、運動として大きなうねりをつくるのに役立つ。例えば、杉並では大門匡裁判長に負けさせられている裁判がたくさんあるが、これらを総合的に評価して大門裁判長の訴訟指揮のあり方を問うこともできるのではないか(杉並区・Mさん)
  
〈そのほかの話題〉

◆杉並・和田中の夜塾の問題点

参加者に杉並区民が多かったことから、大手進学塾サピックスが杉並区立和田中学校でスタートさせた受験塾が話題となりました。次のような問題が指摘され、住民監査請求を求めるべきとの声が多く出ました。

●公共施設を使い、有料で商業行為を行っている。

●現在、「学校教育外である」との和田中の説明に都教委も納得した形になっているが、学校を使って学校教育外の商行為を行っていいのか、という問題が残る。

●公益性があるというが、学校教育外の商業行為に公益があるとはいえない。公益というなら無料でやるべき。実質は、企業の利益になっている。

●授業料が半額ということだが、学校施設を使い、教材については教員との共同開発、冷暖房費・光熱費・夜間警備などは学校持ち。税金をかなり投入していると考えられ、コストが不透明。住民監査請求によって、実際にどのようなコストが区民の負担になっているのかを明らかにし、授業料半額のカラクリを明らかにする必要がある。

●公教育の破壊の危険性もあるのに、新聞やメディアが何ひとつ批判しないのは疑問。民営化による弊害があちこちで出ているのに何の反省もなく学校でも民営化が始まった。私たちが声をあげなければ。

〈昨年の反省会より〉

◆12月1日の反省会報告

昨年12月1日、教基法裁判の原告10名ほどが集まり、結審された口頭弁論の反省会と忘年会を行いました。次のような反省が出ました。

・矢尾裁判長には明らかに偏見と悪意が見て取れ、権威主義だった。

・自己紹介も拒否し、第一回でいきなりの結審。このグループの提訴について強硬に扱うと決まったのではないか。

・忌避のタイミングは、あの時でよかったか。合議の理由を言わなかったところで、或いは「証拠保全書を却下」のタイミングでの忌避はどうだったのか。今後、忌避のタイミングの作戦を考えておく必要がある。

・個人原告である自分が途中でおずおずと忌避を言い出してもよかったのではないか。

・10円の損害賠償の根拠を立証していく作戦が必要。この議員のこの発言にかかった税金はいくらで、国民で割ると10円になるとか。ただし膨大な議事録を調べるなどとても大変なのが問題だ。

・マスコミに取り上げてもらうことが必要だ。そのためにチャンスをねらう必要あり。裁判員制度をなんとか利用できないか。

反省や意見を今後に活かしながら、市民の訴訟を取り戻していきたいと思います。反省会の後、初めての飲み会として忘年会が盛大に行われました。自己紹介では一人一人が話し、その人のこともわかり、とても楽しかったです。今回参加できなかった方、次回はぜひ参加してくださいね!

◆編集後記

生田弁護士を迎えての今回のミーティングで最後に話題になったのが、報告にもあります和田中の夜間塾問題でした。まさに杉並の教育破壊の象徴!住民監査請求、住民訴訟…と声の上がる中で、会の何人かでさっそく教育委員会に申し入れに行って来ました。「地域運営」を旗印に学校長が暴走したら、区教育委・区議会ノーチェックで本当に良いの?そもそも学区も無い和田中に「地域」と開き直れる根拠があるの?次の訴訟が始まりそうです。(小海)

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# by kyokihoinmypocket | 2008-12-08 10:58 | ニュースレター
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ポケットに教育基本法の会 NEWS LETTER 第3号 
 
2007年11月26日
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〈TOPICS〉

★ 教基法訴訟、第一回口頭弁論で不当な結審                            

★ 反省会&忘年会、やります!

第一回で結審……ほんとに悔しい!!! この悔しさと悲しさと怒りを皆さまと分かち合い、また次なる一歩を踏み出したいと思います。ヘコんでいる方、次なるチャレンジに燃えている方、どういうことなのかもっと知りたいという方、ふるってご参加ください!

おおよその人数把握のため、忘年会に出席する方は、事務局までご連絡ください。     

12月1日(土)

反省会 午後5:30~6:30 
忘年会 午後7:00~ 荻窪(場所、追って連絡)

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◆第一回口頭弁論の経緯

2007年11月14日、東京地裁627号法廷において、私たちが提起した教基法訴訟の第一回口頭弁論が開かれました。原告、忌避と書いたうちわをもって、いつでも裁判官忌避ができるよう準備してのぞみました。傍聴には30数名の方が来てくださいました。

ほんとうに、ありがとうございます。

開廷は、裁判官らが遅れて入廷したことにより、予定の10:30を5分遅れて10:35開始。裁判官席には、裁判長・矢尾渉、陪席裁判官・澤野芳夫、長博文の2名、書記官2名。原告席には、渡辺・城倉・富盛・高瀬・岡田・渋川・坂・高市が座りました。被告側は、代理人(弁護士等)8人が座り、たぶん被告全員が出席していました。被告は第一回の口頭弁論には欠席してもよいことになっているので、私たちはまず驚きました。そして、この近来稀に見る被告の出席率が、今回の口頭弁論の先行きを示す、最初のサインでした。

矢尾裁判長は自己紹介の求めを拒絶

開廷すると、原告の渡辺さんが、裁判官・被告に対し、自己紹介の求めをしました。けれども、矢尾裁判長は「必要ありません」と拒絶、「顔と名前が一致しないと話しにくい」と再度求めると、矢尾さんは無愛想に「私が矢尾です」と名乗りましたが、右陪席と左陪席の二人の紹介は頑として行わず、私たちはどちらがどちらなのか最後まで不明のまま、陳述しました。教科書裁判では、不承不承ながらも裁判官も被告も名乗っていたので、このような冷たい対応は初めて。これが、第二の前兆でした。

そして、陳述が始まりました。まず矢尾裁判長は、原告に対し「訴状を陳述しますか?」と尋ねました。通常は、書面を提出しているので「はい」だけで、陳述したことにされるのですが、私たちは口頭で陳述をしたかったので、渡辺さんが、「訴状に替えて口頭で準備書面の陳述をしたい」と申し出ると、矢尾裁判長は苛立たしそうに「口頭での陳述は、後で時間をとります。訴状の陳述はしないんですか?」と言いました。私たちは、ほんとに口頭での陳述をさせてくれるのかしらと訝りながら、渡辺さんは「後で、ちゃんと準備書面の口頭での陳述をさせてくれるなら陳述します」と答え、訴状は陳述したことになりました。

被告の答弁書の内容

その後、被告の答弁書陳述、証拠関係と原告から証拠保全申立書が出ていることなどが確認されました。

被告の答弁書は、国の代理人、自民党議員の代理人弁護士事務所、公明党議員の代理人弁護士事務所から、それぞれ一通ずつ、口頭弁論の直前に届きました。当日の法廷では、「陳述しますか」「はい」だけで終わるので、傍聴人の方にはわかりにくかったと思います。

答弁書の内容は、原告の訴状に対し、「被告に責任はないので、本件は却下されるべきである」「本件の場合、違憲立法審査権は行使できない」などというもののほか、公明党からは「請求の理由の第2ないし第7は争う」という文言もありました。

答弁書が出てきており、しかも「争う」という主旨もあることから、次回以降にも弁論が行われることは、通常なら確実でした。被告の主張には自ら墓穴を掘っている部分もあり、反論の余地も十分にありました。私たちは、次回以降に反論を用意する旨の陳述も行っています。

矢尾裁判長、口頭陳述を悠然と聞き流す

さて、これらの確認が終わると、矢尾裁判長は、私たちに口頭での弁論を許可しました。しかも、「時間はどのくらいですか?」と聞き、高瀬さんが「30分」と言うと、あっさりと受け入れました。

私たちは、予定通り、5つの準備書面の要約をスピーチしました。「公正な裁判、録音、口頭での陳述の要求」(渡辺)、「民事訴訟法243条(裁判の機が熟したら終結)の尊重を求め、一回で結審するなら忌避の予告」(富盛)、「訴状の憲法違反のポイントと裁判所の違憲立法審査権の行使の要求」(城倉)、「教基法改定による憲法第13条(個人の尊重)違反と損害賠償の求め」(岡田)、「やらせタウンミーティングの違法」(高瀬)です。

口頭での陳述の間、教科書裁判では、途中で裁判長が「手短に」「あと1分」などと急き立てたものですが、矢尾裁判長は、一言も口を挟みません。傍聴席から陳述のたびに拍手が起こっても、一人目の時に注意しただけでした。これらの様子を見、渡辺さんが、「今日、結審するから被告が全員出席してる?」と最初に気づき、メモを原告席に回しました。私も、裁判長の悠然とした態度を見て、「ああ、もう今日で結審するつもりだな」と思い、隣りの高瀬さんに、小声で伝えると高瀬さんも「そうでしょうね」と言いました。そして、高瀬さんは、最後の準備書面を、要約ではなく全文を読み上げました。

証拠保全申立書の却下、合議、そして結審

口頭陳述が終わると、矢尾裁判長は、原告が準備書面を陳述したことを告げ、「原告の証拠保全申立書を却下します」と述べ、「合議します」と言い残して、二人の裁判官とともに退廷しました。傍聴席から「なぜ合議するんだ?」などの声が上がりました。その間、原告席では、きっと結審に違いないということがささやかれ、裁判官が戻ってきたらすぐに裁判官の忌避をしようかとも話しましたが、傍聴している人には状況がよく分からないだろうから、とりあえず様子を見ることにしました。答弁書も出ているし、こちらが反論すると言っているのだから次回もある、という一縷の望みもありました。

しかし、約3分後、戻ってきた矢尾裁判長は「では、弁論を終結します」と一言述べました。私たちはいっせいに忌避うちわをかざし、「忌避します!」と口々に叫びました。裁判官らはそそくさと退廷してゆきました。傍聴席から「バカ野郎!」「卑怯者!」「恥ずかしくないんですか!」「説明責任を果たしてください!」などの声が上がりました。

裁判官らが戻ってくることはなく、第一回口頭弁論は結審されました。書記官に確認すると、忌避は結審後の忌避として受理されたということでした。

〈閉廷後報告会〉

不公正な裁判にショックと憤り

閉廷後、半ば茫然としながら、法廷の隣りの控室で傍聴者を交えた報告会が行われました。原告も傍聴に来てくださった方も、ほとんどの人が怒っていて、涙ながらに悔しさを語る人もいました。

「全く不公正な裁判。被告も原告も平等に扱ってほしい」「第一回で結審なんてショックです」「裁判がこんなにひどいものだったとは。三権分立なんてウソなんですね」「合議に入った時、結審だなと思ったが、1%の望みがあったがやはりダメだった」「訴追委員会にかけよう」「こんなひどい裁判をすることに迷いもない裁判官だった」「血圧が上がってしまった。テロリストになるしかないんじゃないかと思うほどです」「裁判で正当な判決が出ることはほとんどないが、たまにホドホドの判決が出ることがあるので、希望をもっていたが、ダメだった」など、不当な裁判に驚きや悔しさ、憤りを表わす人がいる一方、傍聴マニアという人からは「面白い裁判だった」という感想や、「皆さんが堂々と発言している姿に感動した」「悔しいが、えっちらおっちらやっていこうと思う」といった前向きな感想も聞かれました。              

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●準備書面の概要●

準備書面(1):公正な裁判、録音、口頭での陳述の要求

準備書面(2):民事訴訟法243条(訴訟の機が熟したら終結)の尊重。裁判官は当事者間の衡平と真実究明に努め、説明責任を果たして、弁論を熟させる訴訟指揮を執る義務がある。審理が熟すまで待たず、一回で結審するなら裁判官忌避に原告は躊躇しない。

準備書面(3):最高裁判所は抽象的憲法判断をなしうる憲法裁判所としての性格も持っている/改定法は、47年版教基法が前文において憲法との一体性を明記していたにもかかわらず、その文言を削除した。(「日本国憲法…の理想の実現は、根本において教育の力にまつ」)/「個人の尊厳を重んじ」という憲法13条と呼応している文言を、それ以降の文言を変えることによって、その意義を薄めた。06年版では、「個人の尊厳」は後続の「真理と正義の希求」、「公共の精神の尊重」と並列の関係に成り下がっている/内容面における違憲性が明らかな法律をそれと知りながら強引に成立させたことは、被告らの立憲主義軽視に基づく違憲行為である/憲法51条に定められた国会議員の院内における「免責特権」を、本訴が侵しているとは考えない。免責特権は、たとえば地元選挙民の利益などに縛られずに、国民全体の益となる発言を国会議員が自由にできるようにするための規定であるので、国全体の益とならないことをした国会議員の場合には免責特権は適用されない。よって被告らは国家的損失を引き起こしたのですから、免責されない。

準備書面(4):(抜粋)自分の子や孫が、格差を自己責任とあきらめ、上に立つ人の命令に無批判に服従するロボットのように育成される教育の改変を、大被害・大損害だと申し立てているのがこの裁判です。個人の人格・個人の尊厳・一人ひとりの命の大切さより、公共の精神や“国のために死ぬこと”を優先させる<改変教育基本法>を制定するよう策定した議員たちに、この国の将来を誤らせる重罪に対する懲罰としての賠償責任と、私たちの尊厳や魂の自由、子や孫・仲間との穏やかな心の交流を奪われることの個人的損害の賠償とを請求せざるを得ないのです。

準備書面(5):タウンミーティングに関する7項目にわたる認否(タウンミーティングの関係者処分は、やらせの事実を政府が認めたことであることの認否など)を被告に求める。また、タウンミーティングが内閣府と電通が仕組んだ不公正な抗告イベントであることを述べ、例として京都のタウンミーティングにおける、やらせの事実を陳述。京都では、内閣府が参加応募者名簿を京都市教育委員会に送り、「問題のある人物」の有無について応募者をチェックさせ、京都市教育委員会からの報告にもとづき、落選させる工作(不正な抽選)を行い、さらに恣意的なかつ正当性の無い落選者を出した。京都市教育委員会は、一般公募の条件を無視し、これとは別枠で多数の参加者を動員して抽選の必要性を作出し、内閣府に応募者名簿を送るように要請し、送られてきた名簿をチェックして、個人情報を無断提供し、参加させないよう内閣府に要請した。つまり、内閣府と京都市教育委員会は、共謀して違法に参加希望、発言機会を奪い、あるいはその個人情報を無断で漏洩する等して、プライバシー権まで侵害した。

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◆裁判官の忌避申立

口頭弁論の2日後、裁判官の忌避申立書を提出しました。弁論調書(裁判の記録)には全員が忌避と記載されましたが、弁論再開要求も出すため、第一弾として、個人原告11名が申立人として忌避申立書を出し、残りの選定当事者と原告らで弁論再開要求を出しました。

●忌避申立理由(申立書より)

2007年11月14日の第1回口頭弁論において、本件を担当する矢尾渉裁判長及び澤野芳夫裁判官、長博文裁判官は、民訴法243条を尊重せず、審理不尽のまま、説明責任さえ放棄し、本件を終結した。

原告らの訴えを全く無と化した裁判官らのふるまいは、憲法32条 「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない」に違反しており、被告側と裁判官らが結託して、本件・第一回口頭弁論に臨んだことは明らかである。

このことは、民訴法24条の定める「裁判官について裁判の公正を妨げるべき事情があるときは、当事者は、その裁判官を忌避することができる。」に該当する。なによりも矢尾渉裁判長は本人訴訟の原告団にたいし開廷当初より明らかに見下すような偏見と悪意をもった言動をしており、これまでの東京地裁裁判官からしても他に類を見ない。かつ以下に示すように、原告らに理解させようとするような行為は一切無かった。納税者に対する侮蔑である。

よって、申立人は、矢尾渉裁判長及び澤野芳夫裁判官、長博文裁判官に対し、裁判官忌避を申立てるものである。 

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◆ 横浜・第一回口頭弁論 報告

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原告は二人。横浜地裁で第一回口頭弁論

 2007年11月26日、横浜地裁で二田水・原田さんら神奈川住民が提起した教基法訴訟の第一回口頭弁論が行われました。被告は、国・文科省と神奈川県選出の議員です。

 横浜の場合、原告は二人。二田水さんは本人訴訟、原田さんは代理人として生田弁護士を立てており、生田さんも松山から来ていました。予定されていた時間は5分ということで、初回結審はないだろうと原告らは話していました。また、被告の公明党・松あきらから答弁書が来ていなかったので、欠席裁判になるだろうとのことでした。

 裁判長は小林正、陪席裁判官はいませんでした。原告席には二田水さんら3人。被告席には8人、神崎弁護士など東京での裁判と同じ顔ぶれが見えました。傍聴席には被告側も含め20名ほど。午後1:20開廷の予定でしたが、小林裁判長は「一人被告が遅れているようなので25分から開廷します」と告げました。

自己紹介の求めに、小林裁判長キョトン 被告の国代理人は、言下に「必要ない」


その待っている間の妙な沈黙を破り、二田水さんがおもむろに、「待っている間に自己紹介をしていただけないでしょうか」と発言。裁判長は、キョトンとした顔をし、「え? 自己紹介ですか? あ、えー…、私は小林ですが…外に掲示してある通りです」と、とまどいながら名乗っていました。そして、「えー、どうですか、被告のほうは」と被告のほうに尋ねると、一番前の代理人が(後で、国の代理人ということが分かりました)、仏頂面で「必要ないですから」と言下に言い捨てました。途端に傍聴席からいっせいにブーイング。「えー、なんで自己紹介もできないのー」「おかしいんじゃない」。裁判長は、「傍聴席は、審理のジャマをしないでください」。すかさず、傍聴席の渡辺さんが「まだ開廷していないでしょ」。

小林裁判長は、「開廷していなくてもダメです。被告のほうは必要ないということですからできません」と述べました。原告の原田さんが「公序良俗に反するんでしょうね」と発言、傍聴席からクスクス笑いが起こりました。少しの沈黙の後、二田水さんがまた「小林…何と言うのですか、下のお名前は?」と言うと、裁判長は「ただし、です」。

公明党欠席と被告の証拠書証の不備


25分となり、被告の松あきらの代理人は欠席のまま開廷しました。小林裁判長が、原告に向かって「訴状を陳述しますか?」と問うと、二田水さんが「陳述しますが、口頭で弁論したい」と求めると、裁判長は「今日は時間がないので、それはできません。訴訟の進行によりますが、機会があれば時間をとります」と述べました。二田水さんが「次回に口頭で述べさせてもらえるのですか」と確認すると「どういう形にするかは今後を見て決めます」。訴状は陳述となり、次いで被告の答弁書陳述、証拠確認が行われました。

証拠の確認で面白いことがありました。小林裁判長が「乙号証(被告の証拠)の記載がよく分からないのですが。全部黒く塗りつぶされているので」と述べたのです。被告の国は、松山地裁でも同じ訴訟があり二重訴訟だから棄却すべしという答弁書を出していました。その証拠として、松山での訴状を提出していました、その原告名簿が全て黒く塗りつぶされていたのです。これでは誰がダブっているのか分かりません。被告の名前まで塗りつぶされていました。代理人は慌てて書証をめくり「何ページになります」と答えていました。すると生田さんが立ち上がり、「被告が異なるので二重訴訟ではありません」と述べると、小林裁判長は「書面の反論をお願いします」と受けました。

弁論の分離。次回もあるぞ、口頭弁論


証拠確認が終わると、生田さんは、公明党が欠席していることを挙げ、「弁論を分割して行ってほしい」と要請すると、小林裁判長は、「主張を考えるとむずかしい」と答え、「国と文科省を分離して行います。河野洋平ら自民党議員・松あきら公明党議員の判決言い渡しは2月27日、国と文科省は次回に、弁論を分けて終結とします」と述べました。次回期日は1月28日、「30分とる」とのことでした。

〈閉廷後 報告会で〉

公明党が寝返って、吉と出る?!

閉廷後の報告会で、生田さんから説明がありました。
「松山での教基法訴訟でも同じだが、公明党が欠席しており、欠席判決になるだろう。欠席するということは原告の主張に反論しないということで原告の主張を認めたことになり、自動的に原告の主張通りの判決になる。おそらく公明党は自民党にダメージを与えたいのだろう」
東京では公明党は答弁書を出してきましたが、おそらく党首の太田昭宏だからではないか、とのことです。

次回も弁論があることについて、生田さんが「被告が出してきた証拠の書類が、全部黒く塗りつぶされているような記載不備の証拠で、さすがに初回での結審ができなかったのでは」と説明すると、皆が大笑い。

「資格はないよ」と言われても

また、傍聴者から「国と文科省とを被告にしているが、どういうことか?」との質問があり、以下の説明がありました。「国とは何かの定義は、実はない。教基法訴訟の場合、国というと法務大臣になるが、規定があるわけではない。何が国なのかは当事者が定義することで、被告に釈明させればいい。また、裁判所や被告が、民事訴訟法の当事者能力を持ち出して門前払いするケースが多いが、裁判所はなぜ当事者能力がないのか、釈明しなければならない。こちらが説明する必要はない。釈明させるんです」

なるほど、向こうが「アンタに資格はないよ」と言ってきても、「そんなワケないじゃん、説明してよ」と言い返せばいいってこと。「はぁ、そうですか」と言いなりにならず、「だって、おかしいじゃない?」と言いつづける。参加者の間から、口々に「そうか!」「こちらが決定することなんですね!」の声が上がりました。                

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編集後記

本人訴訟裁判の先達・愛媛でも裁判官が強硬姿勢を示してきたそうです。「主権実現の手段としての裁判」が裁判所に認知され恐れられてきていることの証拠ではないでしょうか? 初めて原告になられた方にはショックな初回結審だったと思いますが、だからこそ、ますます闘志が湧いてくるではありませんか!あきらめずに息長く続けていきましょう。(渡辺)

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ポケットに教育基本法の会

事務局:〒174-0063 東京都板橋区前野町4-13-3-301 城倉啓方
 tel/fax03-5392-9554 
 Eメール yukesika@sea.plala.or.jp
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# by kyokihoinmypocket | 2008-12-08 10:31 | ニュースレター
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ポケットに教育基本法の会 NEWS LETTER 第2号  
  2007年10月15日


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〈TOPICS〉

★「改定教育基本法は憲法違反である」と、提訴しました

★ 第一回口頭弁論期日決定!! 11月14日(水)10:30~ 627号法廷(6階)
       

   ――― 傍聴をお願いします。弁論したい方はお知らせください ――――

 ●提訴のご報告 ●記者会見の内容――訴状の概要・質疑応答(訴状のポイントが分かります。訴状を読むのがめんどくさい方、こちらをどうぞ!) ●実際の報道 ●学習会の報告 ●訴状の訂正のお知らせ ●第一回口頭弁論に向けて ●会計報告 ●編集後記

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 提訴のご報告

 2007年9月21日、「ポケットに教育基本法の会」は、東京地裁にて、改定教育基本法違憲訴訟を提起しました。

 当日、東京地裁には原告8人が集まり、民事24部に訴状と証拠書類を提出。被告や裁判官の分まで用意するので書類は膨大な量になりました。ダンボール一箱分くらいの書類を、受付けのカウンターにデンと置いたところはなかなかの迫力、職員が驚いて顔をあげたくらいです。

 訴状には、収入印紙18,800円。切手14,000円を添付。職員から、被告の数などからこれだけかかると説明され(例えば、郵送料:被告一人2,000円)、仕方なく支払ってきましたが、「うわっ、高いね~!」「これも市民に裁判を起こさせないようにする手口だからね~」などと、ひとしきりブツブツ言うことは忘れませんでした。印紙や切手を買いに地下の郵便局まで行ったりなど、30分くらいかかりましたが、無事受領され、提訴は完了しました。

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記者会見の内容

同日午後3時から、同じ東京地裁の司法記者クラブで記者会見を行いました。

記者会見にかけつけた原告を含め、12名で行いました。ありがとうございます!

朝日新聞社がこの日の幹事役で、会見を仕切ってくれましたが、その朝日からは報道無し。十数社と見える記者が集まりましたが、報道したのは東京新聞、毎日新聞などの数社にとどまりました(詳細、後述)。

記者会見では、城倉さん、渡辺さん、富盛さん、高市さん、二田水さんが会見席で応対。訴状の概要、裁判の意義について説明し、質疑応答を行いました。

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●訴状の概要●

訴状は、2006年に改定された教育基本法の違法性を問うものです。1947年に制定された教育基本法は准憲法であり、日本国憲法と一体をなす性格をもっています。近代立憲主義に基づき国家権力をしばる狙いが日本国憲法であり、教基法も同じ性格のものです。

明治憲法と教育勅語の反省から生まれた教育基本法は、あるべき筋とあってはならない筋を示しています。あるべき筋とは教育を受ける権利や男女共学など、あってはならない筋は、政治活動の禁止や宗教活動の禁止などです。

〈日本国憲法 第13条、26条、19条、第20条に違反〉

改定教基法は、准憲法であるはずなのに、日本国憲法と整合性がとれません。家庭教育の在り方に踏み込み、国を愛する態度を求めています。これは、日本国憲法の第13条(個人の尊重)、第26条(教育を受ける権利)、第19条(思想・良心の自由)、第20条(信教の自由)に違反しています。

〈教育基本法第10条の改定は、教基法の理念に背くもの〉

さらに教育基本法第10条「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきである」が、改定では「不当な支配に服することなく」は残ったものの、「この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきもの」との条件が付きました。

これにより、不当な支配かどうかを判断するのは主権者自身ではなく教育行政との解釈が可能になりました。「不当な支配」が骨抜きにされ、立法趣旨と逆の意味になってしまいました。教育が時の権力の政治的な意思に左右されずに、自主的・自律的に行われることを保障する教基法の本質が変えられてしまったのです。

〈国連のこどもの権利条約第28条、29条に違反〉

日本が批准している国連のこどもの権利条約との不整合もあります。こどもの権利条約第28条(教育の権利)、第29条(教育の目的)に違反しています。

〈改定教基法の成立過程の違法―やらせタウンミーティング〉

また成立過程の違法性があります。やらせタウンミーティングでは、やらせ質問15回、内容指定発言依頼29回、内容を指定しない発言依頼105回。25回のタウンミーティングで、のべ65人に、謝礼5,000円を支払っていたことがタウンミーティング調査委員会の最終報告で明らかになりました。関係者が処分されており、安倍前首相も給料の一部を返還しています。それは、やらせをしていた人たちが違法だということを認めたということです。

違法な成立過程で成立した法律の正当性を主張しても認めることはできません。憲法81条が保障している違憲立法審査権を用いて、最高裁は憲法違反の法律ができたかを問わなければならない。そのことを市民は求めることができると思っています。

〈被告らの行為は、憲法第99条違反〉

問題にしているのは、これは違法であるということです。被告らは憲法を守る意思がなく、立憲主義を理解していない。それを黙認してはいけないと、訴えています。教基法の改定は、単なる法改定ではなく、憲法の破壊行為である、という結論です。憲法破壊の手段として、違法なやらせタウンミーティングを行い、世論を操作して後誘導したということは、重大な責任が被告達にあることはあきらかであり、憲法99条に違反しています。


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次に主権実現の裁判としての意義を説明しました。これは、ニュースレター第1号に記載した内容ですので、ここでは省略します。質疑応答は、次のようなものでした。

 ●質疑応答●

 Q.訴状は受理されたのか?

 A..されました。


 Q. 担当はどこがやるのか?

 A. 民事24部です。事件番号は、平成19年(ワ)24676号になりました。


 Q. 原告245名について

 A. 日本国籍を有する東京都民103名、東京都以外に住む日本国籍を有する者128名、日本以外に住む日本国籍を有する者2名、韓国籍を有する者11名、ニュージーランド国籍を有する者1名


 Q. 損害賠償額はいくらか?

 A. 一人10円なので、2,450円です。なぜ一人10円かといえば、高くすると訴訟価額が高くなり、印紙代が高くなるためです。


 Q..何の損害で訴えるのか?

 A. 憲法違反である改正教育基本法をやらせTMを用い、反対意見を封じ強行採決したという民主主義の破壊により、原告らは計り知れない精神的苦痛を受けました。この精神的苦痛に対する損害賠償です。また、被告の加害行為は極めて悪質で表現によっては万死に値するものであり、通常の損害賠償責任ではなく、懲罰的損害賠償が相当と考えています。本件は、国家犯罪であり、人民として許しがたい不法行為です。世界の裁判の概念に従って、懲罰的損害を認めるべきだとしています。


 Q.立証はどのようにやっていくのか? 被告らはどのような行為をしたのか?

 A. 被告らには責任があります。今回は東京都民が中心となって起こしている裁判なので、東京都選出の与党の特別委員会委員の国会議員と、大臣を訴えています。先ほども申し上げたように、裁判と選挙は表裏一体という考え方です。どうやって立証するのかという質問ですが、やらせタウンミーティングについては、関係者が自ら罪を認めています。


 神奈川からの提訴を予告

最後に、原告の二田水さんが、発言しました。

「神奈川でも同趣旨の裁判を近日中に起こします。神奈川も、同様の訴状を出しますが、二つ付け足します。一つは、国会審議が憲法違反であること、強行採決を行い、政府が説明責任を果たさず、ごまかしばかりやっていることです。

二つ目は、裁判所は憲法裁判の役割も担っているはずなのに、52年に最高裁が憲法裁判の使命をもたないと言ったことはおかしい、それが長い間続いてきたことは問題であることを提起します。三権分立の主要な立場にいる者が、行政が行う違憲的なものを審議するところがないというのはおかしなことです。最高裁がむしろ現行憲法を貶める元凶になっているのではないかとの疑問を呈したい」


 以上で、記者会見は首尾よく終了しました。

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実際の報道

記者会見には多くの報道各社が集まったものの、翌22日の実際の報道は、東京新聞、毎日新聞に小さく掲載された程度でした(下記参照)。残念ですが、こういう世の中だからこそ、私たちは声をあげざるを得ないのです。ネットニュースでは、東京新聞のほか、河北新報に報道されました。最も詳しく掲載されているのは、JANJANインターネット新聞社のものです。JANJANの記事は、現在でもインターネットで読むことができますので、ご覧ください。

●東京新聞 9/22 ―― 改正教基法違憲と提訴

 昨年12月施行の改正教育基本法は、思想・良心の自由を保障した憲法に違反するなどとして、東京都の住民ら計245人が21日、国などに無効確認などを求める訴訟を東京地裁に起こした。
訴えによると、改正教育基本法は、教育の目標に「我が国の郷土を愛する態度を養う」と掲げており、住民側は「子どもらに価値観を押しつけている。思想・良心の自由を侵すことになる」と主張している。

●毎日新聞 9/22 ――― 教育基本法改正無効求め提訴

 昨年12月に改正された教育基本法が教育目標に「愛国心」を盛り込み、家庭の教育方針を規定しているのは思想・良心の自由に反し違憲として、市民団体メンバー245人が21日、国と与党国会議員5人を相手に改正法の無効確認と一人当たり10円の賠償を求め東京地裁に提訴した。

●JANJANインターネット新聞社 ―――都民ら245名が「改定教育基本法は憲法違反」として提訴

 http://www.news.janjan.jp/living/0709/0709222816/1.php

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 生田暉雄弁護士を囲んでの学習会報告
 

9月21日の提訴・記者会見の後に、阿佐ヶ谷に場所を移して生田暉雄弁護士を囲んで学習会を持つことができました。10名ほどの参加者でしたが、とても貴重な学びができたので参加者の一人としてとても感謝しています。

初めに、記者会見時の訴状の説明の繰り返し説明を城倉からいたしました。というのも、記者会見にお見えになれなかった人もいたからです。実質的執筆者の生田さんの前での訴状の説明は恥ずかしいものでしたが、横綱に胸を借りるつもりでお話しました。ところが、思わぬお褒めの言葉をいただいたので、こちらはすっかり気を良くしています。

生田さんからは主に愛媛での取り組みを中心に、「裁判(所)の民主化」がどのように実現していっているかを話していただきました。貴重な資料や、わたしたちの裁判に関するコピー資料なども配布してくださり、とても助かりました。また、実際の準備書面の目安となる分量(A4で4枚ぐらい)や、何を第一回準備書面で書くのが妥当かなどの助言もいただきました。

生田さんによれば、内容のある裁判をすることが肝要であるということです。そのために初めから、テープ録音の許可・傍聴人の権限・口頭での実際の弁論などを主張すること、そして真実の究明のために「門前払い」を許さず、証拠調べまできちんとした議論を冷静に進めることを目指すようにということでした。ある意味で当たり前の裁判が実施されることが手段ではなく目標であることには寂しい気もしますが、それが現実。百年後のためにも今しなくてはならないことを誰かがしなくてはならないのでしょう。

席上、憲法改悪の流れに抗する運動をしている人の発言もあり、一同大いに心を熱くさせられました。ポケットに1947年版教育基本法をしのばせながら、したたかにしぶとく闘い抜きたいと思わされる夜となりました。(by 城倉啓)

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 訴状の訂正等のお知らせ

●被告から文部科学省を外し、取り下げ手続きをしました。

提訴後、被告から文部科学省(伊吹文明)をはずし、取り下げ手続きをしました。

本件の担当書記官・山根さんによると、「被告に文部科学省が入っているが、文部科学省は国の一機関であるので、国が被告になっているため、当事者能力がない。それでも被告とするなら、それでよいがどうするか?」とのことでした。

被告が多すぎて郵送料が高くなっていることもあり、非常に残念ではありますが、文科省(伊吹文明)は、被告からはずすことにしました。
 

皆様にお届けした訴状の被告から文科省は除かれますので、ご注意ください。


●裁判所からの送達書類は一箇所に届きます。内容は随時報告します。

原告全員に裁判所から書類を送るのは大変なので、送達場所を渡辺ひとりとしましたので、ご了承ください。送達された書類については、メール、ニュースレターなどで、随時ご報告いたします。

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第一回口頭弁論に向けて

第一回口頭弁論期日が決定いたしました!! 傍聴をお願いします。弁論したい方はお知らせください。         

11月14日(水)10:30~11:00 627号法廷(6階)      

※リハーサル 11月13日(火) 18:30~ 
本番に備え、リハーサルを行います。裁判を有利に進めるには準備が大事。法廷にいらっしゃる方は、なるべく出席をお願いします。裁判を大いに楽しみましょう!

口頭弁論30分! やった、喋るチャンス! 攻撃は最大の防御なり。

第一回なので30分とるそうです。これは、喋るチャンスです! 

通常の裁判では、「書面通りですか」「はい」で進んでしまいますが、私たちの裁判はそうではありません。私たちは本人訴訟で、あくまでも口頭での陳述を求める方針です。 主権者ひとり一人の意思を示す絶好の機会。皆さま、どしどし法廷で陳述しましょう!

ただ、法廷で陳述するには、その内容を準備書面や意見陳述書であらかじめ提出する必要があります。法的根拠や証拠等を示しながらの論文なら準備書面として提出し、陳述を求めます。意見の場合は、意見陳述となります。また、被告への質問も大きな成果をあげます。教基法改定について「何か言いたいぞー」という方は、事務局までご連絡くださるか、話したい内容をメール等でお知らせください。

なかなか口頭での陳述は許可されないので、話せない場合もありますが、私たちはできるだけ「話させてください」と食い下がります。口頭で話せなかった場合でも、提出した書面や陳述書は陳述扱いになりますので、ムダではありません。裁判官は「ていねいに読んでいます」とは言います(怪しいものですが)。

攻撃は最大の防御なり。さあ、あなたも、準備書面、意見陳述、被告への質問状などなど、書いてみませんか?

傍聴をお願いします!

傍聴者が多いと、やはり裁判官にインパクトを与えます。ぜひ、傍聴にいらしてください! 

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会計報告

これまでの会計を、下記のとおり、ご報告します。

07年10月09日現在

収入 200,000円

 会費 180,000円 

 カンパ 20,000円

支出 95,428円

 郵送費 21,320円

 印刷費 17,697円

 生田さん宿泊費 7,140円

 提訴直後集会費 900円

 事務用品費 15,571円

 印紙代 32,800円

差引き残高 104,572円                   

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 編集後記

先月9月21日に提訴してから、福田が首相になり、長井健司さんはミャンマーで銃弾に倒れ、時津風部屋のリンチ殺人が明るみに出るなど、いろいろなことが起きました。安倍がコケて福田になり、私は一年ぶりに重荷を下ろしたような、晴れやかな気分でした。といっても、ちょいマシぐらいなもので、タヌキなのは安倍より手ごわいかもなどと一人ブツブツ・・・。「誰も行かないところには、誰かが行かなければならない」と言っていた長井さん。私たちも、ある意味、誰もやらないことをやっているようなものかもしれません。一人でも少しずつそういうことをやれば、少しずつ周りが変わっていくのを信じて、コツコツ歩いていきたいと思います。(byとみもり) 

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ポケットに教育基本法の会

事務局:〒174-0063 東京都板橋区前野町4-13-3-301 城倉啓方 
tel/fax03-5392-9554 
Eメール yukesika@sea.plala.or.jp
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# by kyokihoinmypocket | 2008-12-08 10:21 | ニュースレター

準備書面(1)

平成19年(ワ)第24676号 国等に対する損害賠償請求事件

被 告  国 外5名


準 備 書 面(1)


2007年11月9日

東京地方裁判所民事第24部合議C係 御中

第1回口頭弁論にあたって

一、公正・中立及び適正な訴訟進行

日本国憲法76条3項に「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」とある。また、憲法31条には、適正手続きを行なうように要請している。つまり、裁判長らは、憲法の理念及び原理に則り、本件裁判において、公正・中立及び適正な訴訟進行を行なう責務を課せられている。しかも憲法及び法律の解釈、判断を行なう場合においても、勝手な解釈、判断を行ってはならず、憲法及び法律が制定された歴史的経過及び歴史的経過に基づく立法の趣旨から外れる解釈、判断を行ってはならないことはいうまでもない。

しかしながら司法の長である最高裁長官は、内閣の指名に基いて、天皇がこれを任命し、他の裁判官は内閣が任命するがゆえに、司法は、行政府寄りの解釈、判断が顕著となり、司法に対する人々の信頼が著しく失われている。現に原告らはこの数年の間に4つの裁判を提訴し、多くの甲号証、準備書面をもって被告(行政府)の不法行為を明らかにしたが、裁判官が行政府を勝訴させる意図をもち、被告らにまともな反論さえ求めず、原告に悪意をもった偏頗な裁判を行った経験をもっている。さらにそれらの裁判官に対して忌避申し立てを行ったが、裁判官が裁判官を裁くという制度自体、身内をかばう不公正さを持つ。主権者から見れば誰が見ても正当な忌避申し立てであるにもかかわらず、司法の行政府をかばう体質により、それらが認められることはなかった。

われわれの裁判はマスメディアからは無視同然の扱いを受けているが、心ある記者は報道しようと努力してくれているし、オルタナティヴ・メディアを使い、人民の中に浸透しつつある。その証拠に、原告数が増加しており、このような裁判を主権実現の手段として行っている実践例として記載する本も出版された【甲第18号証 『裁判が日本を変える!』P.170~174】。今や、人民は腐りはてた司法に対し、怒りをもって立ち上がろうとしているのである。裁判所としては、失われた信頼を取り戻すためには、公正・中立な裁判を積み重ねる外はない。よって、本件の審理において公正・中立及び適正な訴訟の進行を強く求める。

二、開かれた裁判

日本国憲法82条において裁判の公開法廷を定めている。この公開法廷の審理の中に、公正な裁判の保障を発見するという現代法の理念を具現している。さらに、公正な裁判を保障し具現化を図るためには、単に法廷を公開するとの表面的な措置だけでなく、訴訟行為全般にその理念を反映させる措置を行なう必要がある。このような措置によって、法廷はより開かれた空間となり、公正な裁判の制度的保障が高まるのである。

現在、傍聴人は発言は無論、拍手も禁じられ、裁判に参加することは認められていないが、公開法廷と定めている以上、主権者である傍聴人も裁判に参加する権利がある。拍手などは認められるべきであるし、今後、傍聴人が意見を言っていくような制度も整備されるべきである。

三、口頭弁論主義の徹底

日本の訴訟制度は、口頭弁論主義を採用している。しかしながら現実は、書面主義的傾向が強く、口頭弁論主義は形骸化している。例えばそのことによって、法廷での審理が傍聴者には理解しにくい状態になっていて、傍聴者の存在は、実体上無視されている。それでは、真に法廷が人々に開かれたものとはならない。書面の提出、授受の確認のみでなく本来の口頭弁論を行うことによって、傍聴者にも解りやすい審理となるであろう。そのことによって司法に対する人々の信頼は高まり、人々に親しみやすい裁判所となるのである。以上のような理由からも本件における法廷は、本来の口頭弁論主義を徹底して行なうように強く求める。

四、録音テープの録音と公開

東京地裁では、一般の法廷では審議を録音していないそうである。しかし、これでは「言った」「言わない」の議論になった時に、どちらが正しいのかを判断することができない。実際、われわれの行ってきた裁判でも裁判長が聞こえない声で口頭弁論の終結を告げるという事態が起こり、それを書記官が聞こえたとして口頭弁論を終結したことにされてしまった。その裁判では裁判長は「閉廷」も告げなかった。われわれはそれに対して異議を申し立て、忌避も行ったが、録音テープがないため証拠がなく、傍聴人に証人になっていただいた。

忌避を行う場合、訴訟指揮に対する論難は理由にならないというのが現在の司法の判断であるが、原告に悪意を持った、行政に加担する訴訟指揮を放置しておくことは、憲法に定められた国民が裁判を受ける権利を裁判所自らが奪っているに等しい。しかしどのような訴訟指揮が行われたのかは、現在は録音していないため証拠がなく、裁判所は自ら証拠隠滅を図っているとしか思えないのである。このようなことを言われたくないなら、裁判所は堂々と審理を録音し、そのテープを公開すべきである。

五、口頭弁論調書に審理の内容がわかる記載を

現在の口頭弁論調書は数行で終わるもので裁判のプログラムに過ぎず、審理の中身が何も書かれていない。後でこれを読んでも、その期日に何がどう話し合われたのかは全くわからない。裁判の公式記録は口頭弁論調書のみなのであるから、こんな調書では不十分このうえない。この裁判では記録としてその期日に行われた審理の内容がきちんと伝わる口頭弁論調書を要求する。

結語

第1回口頭弁論にあたり、司法に最も求められかつ必要である裁判の公正、中立さと合わせて、開かれた法廷の具現化のために、本件を担当する裁判長らに以下のことを実施することを要望する。

1. 書面の提出、授受の確認だけではなく、意見陳述の時間をとること。
2. 傍聴人の拍手を認めること。
3. 口頭弁論で行われた審理の内容をきちんと残すために、口頭弁論を録音し、そのテープを公開すること。
4. 口頭弁論調書はプログラムではなく、口頭弁論の記録であるから、何がどう話し合われたのかが伝わる内容を記載すること。また、公正性、正確性の確保のために、原告・被告・裁判所三者による合意の上で口頭弁論調書を作成すること。

以上
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# by kyokihoinmypocket | 2008-10-31 17:53 | 第1審(東京地裁)の記録