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by kyokihoinmypocket
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ポケットに教育基本法の会 NEWS LETTER 第1号  
                       2007年9月16日
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2007年9月7日、杉並区にて、改定教育基本法違憲訴訟のための集会が開催されました。原告団の名称は、「ポケットに教育基本法の会」。9月21日の提訴に向けた、初めての集会です。

参加者は23名。少なめではありましたが、千葉県や所沢、はるばる富山県から参加してくださった方も。また、改定教育基本法は、思想・信教の自由に抵触するので、違憲であると考える宗教者は多く、牧師や僧侶の姿もありました。さまざまな人々が一堂に会し、それぞれの思いを伝え合う、和やかな会となりました。

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主権の実現手段としての裁判 

今回の訴訟は、改定された教育基本法は、違憲で無効であることを訴え、改定教基法の成立に賛成した国会議員について、損害賠償訴訟を提起する裁判です。参加者全員の簡単な自己紹介の後、事務局の城倉さんより、今回の訴訟の主旨説明がありました。以下、要旨です。

裁判が主権在民を守り、選挙権を補完する

本来、選挙権を行使して、国会議員を選出するだけでは、主権を本当に行使したとはいえません。選出された国会議員が憲法を尊重擁護せず(憲法99条)、違憲の法律を作ったり、国政を信託された者としてその信託に反する行為をした時、私たち主権者は、どうしたらいいのか。

そういう時のために裁判があります。国会議員を牽制し、本来の職務に戻ってもらう。裁判は、選挙権の行使という主権をフォローする方法。紛争解決のみならず、選挙権を補完し、主権在民を国家権力から守るためにもあるのです。

ヒラメ裁判官を人間に。裁判の敬遠は、為政者の思うツボ

一方、日本の裁判は、ヒラメ裁判官といって、政府や最高裁等、上の方ばかり見ている裁判官によって取り仕切られています。裁判官に対する報酬や任地を、政府や最高裁が握っているからです。為政者は、このようなヒラメ裁判官によって、国や行政機関に対する重要な裁判であればあるほど門前払いの裁判をするようになっています。

このような現状で、行政事件の市民側の勝訴は大変難しい。しかし、勝訴の可能性が低いからといって裁判することをあきらめては、為政者の思うツボです。 

敗訴が先例になる? マインドコントロールです

また、よく敗訴が先例・判例になると言いますが、日本の裁判は判例法主義ではありません。同種の裁判が先例にあっても、それに拘束されることはありません。敗訴が先例になるというのも、裁判を利用させないようにする為政者の人民に対するマインドコントロールの一方法であることに気づかなければなりません。

現在のところ、本訴訟には、原告245名、主旨賛同者22名が集まっています。国を愛する態度や家庭教育を規定する改定教育基本法は、自主的・自律的な教育を保障する憲法に違反しています。これは、改定教育基本法が成立しても変わらない事実です。騒ぎつづけましょう。

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訴訟の流れ

次に「ポケットに教育基本法の会」代表・渡辺さんより、訴訟の流れの説明がありました。渡辺さんは、杉並区で使われている「つくる会」教科書の取消しを求める、損害賠償訴訟の原告の一人。弁護士を立てない本人訴訟で、安倍晋三を被告とする裁判と、杉並区区長や教育長らを被告とする住民訴訟の二つを起こし、自分たちで準備書面を書き、この一年間、訴訟に取り組んできました。以下、要旨です。

裁判官を「○○さん」と呼び、言葉で論じ合う市民の裁判

杉並の裁判では、自己紹介をしたり、裁判官のことを「○○さん」と呼ばせてもらって、進めました。裁判官と私たちは法の下に平等であることを示すためです。裁判官は変なのに引っかかったと思ったでしょうね。

原告側は、訴状をはじめ、何が違憲かを証拠とともに立証する準備書面という書類を提出します。これに対し、被告側は、答弁書や反論の準備書面をやはり提出。そして、双方が主張・反論を出し合う口頭弁論という法廷を何度も繰り返して進行します。

名称は口頭弁論でも、今の裁判所は、効率化のために書面のやり取りだけで進める書面主義。口頭弁論はほとんどありません。「書面通りですか」「はい」のやり取りだけで陳述したことになって進むので、傍聴してもさっぱり分かりません。傍聴は裁判を監視する役割があるのに、これも民主主義を衰えさせる一因となっています。

私たちはこれも正すため、「口頭で陳述させてください」と何度も求めました。裁判長は「時間がない」「他の訴訟もあるので」「ご理解いただきたい」とか何とか言って、なかなか許可しませんが、それでも5分をもぎとって陳述しました。

その結果、傍聴していた人からは、「こんなに分かりやすい裁判を初めて見た」とか「自分が主権者だということを初めて実感した」という声が聞かれました。

突然、裁判長は聞こえない声で結審。でも、市民はあきらめない

しかし、結局、私たちが起こした裁判は、3回の口頭弁論で結審されました。裁判は審理が熟した時に結審とすることが憲法で定められていますが、被告は何も答えないまま、つまり何も審理されずに、一方的に終わらせられたのです。しかも、裁判長は誰にも聞こえない声で終結を告げました。それまで、法廷中に聞こえる声で喋っていたのに、いきなりムニャムニャと何か言ってくるりと背を向けて退廷してしまった。もう、びっくりしました。

杉並の教科書裁判は、いま、裁判長・裁判官の忌避の申し立てをしています。却下されたら、次は高等裁判所に即時抗告を申し立て、これも却下されたら、次は最高裁判所に申し立てます。市民の声を聞かない裁判官は、どんどん忌避する。その意思を表わしていく。これも、主権を実現していく一つのステップと考えています。

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原告体験談

次に、本人訴訟裁判の体験談が、原告の富盛さんからありました。以下、要旨。

初めての東京地裁で意見陳述。「超キモチいい!」

「つくる会」教科書が杉並で採択されて、びっくりして原告になりました。それまで反対運動があることすら知らなかった。しかも被告は安倍総理大臣、「おっかないかも」と思っていましたが、やってみたら、意外に面白かった。初めて東京地裁に行って、意見陳述した時、超キモチよかったんです。以来、準備書面も少し書いたりしています。

法律の知識はないけど、調べたら、ほんとに安倍晋三と自民党は教育に対してあからさまな政治介入をしている。私たちは10以上の項目に渡って、その事実を争点にした書面をつくり、口頭弁論に臨みました。なのに、被告は何も答えない。出してきた一通きりの準備書面は、「安倍晋三の所属する『日本の前途と教育を考える議員の会』は自民党と関係ない」というものでした。

私は、ひっくり返るほどびっくり。こんな馬鹿みたいな答え、あるわけ?と思いました。しかも、その直後、結審してしまった。驚いたことに、裁判長も、この答弁だけで審理したことにしてしまったんです。私は、その時、こうやって戦争になっていくんだなと思いました。動き出したら、止まらない。

でも、今ならまだ、声は出せる。勉強になるし、カルチャースクールに通うより安上がりで面白い。自分が自分であるための活動だと思っています。

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応援スピーチ 増田都子さん◆ 

また、「つくる会」教科書を批判して免職された中学校社会科教諭の増田都子さんからも、原告の一人としてお話がありました。

「つくる会」教科書批判教師の訴訟は報道されない。なぜ?

「日の丸・君が代訴訟は有名ですが、私の裁判は有名ではありませんよね。記者会見しても報道されないんです。これは、全く意図的なものです。

私は、子どもたちに本当のことを知ってもらいたいと思い、授業で「つくる会」教科書には嘘が書いてある、太平洋戦争は侵略戦争であり、自存自衛の戦争とするのはまちがいだと教えました。たった一回の授業ですよ。都教委は、私を分限免職にしました。私は免職取消し裁判を起こしていますが、ほとんど報道されません。

都教委による、すさまじい誹謗・中傷。東京における苛烈な教育への政治介入

このような異常な事態になった背景は10年前にさかのぼります。私が教える生徒が、君が代の時に自主的に座ったんです。私は座れなんて言っていない。ほんとうのことを知れば、君が代を歌うことなんてできないんです。

以来、私は都教委の標的になりました。都教委は、3人の極右都議会議員、土屋たかゆき・田代ひろし・古賀としゆきに、私の個人情報を全て流し、土屋たかゆき都議は、街頭で私を誹謗・中傷、懲戒免職にしろと宣伝しました。また、産経新聞には、私が偏向教師であるとの記事が何度も載りました。この時から東京では、教員が自由にものを言えなくなり、平和教育がつぶされていきました。

最高裁は、土屋たかゆき都議の言動を「人権侵害」「名誉毀損」にあたると損害賠償の支払いを命じ、都教委についても、東京高裁が、個人情報を極右都議会議員に流した「都教委の不法行為」を認めましたが、これらの判決や、係争中の私の免職取消し裁判についてはほとんど報道されていません。情報操作されているのです。

違憲訴訟は、教育への政治介入を許さない市民の意思

東京はすでに、教育への不当な介入が最も過激に進んでいます。教員組合の力は全くない。私の免職は取り消されず、産経新聞には偏向教師のデマ記事が載り続けています。

教育基本法改悪に対するこの違憲訴訟は、教育への不当介入を許さないという市民の意思によって成り立っています。興味深く、経緯を注視していきたいと思います。

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会場の声◆  会場の参加者から、意見や思いをうかがいました。

「僕らの正しいと考えることをどうしたら分かってもらえるのか悩んでいました。40年何もやって来なかったが、その間、ゴマメの歯ぎしりをしていた。今回の訴訟を知り、原告になろうと思いました」

「教育基本法の改悪を受け入れるのはイヤだ、皮膚感覚でイヤだと思っていました」

「千葉県から来ました。千葉県は管理教育がすごい所。子どもをきっかけに、地域で教育問題に取り組んでいました。おかしいと思う法案が次々に通ってしまうのに驚いていた。この訴訟を知り、通ってもできることがあると知った。自分でできることがあれば何でもやろうと思い、原告になりました」

「一昨日、武道が必修になったと報道された。そら、始まった、と思いました。伝統・文化を押し付けようとする動きです。次はオリンピックで金メダル、最大の文化は天皇だ、御言葉を貼ろう、次は写真を飾ろうになっていくのでは。これに抗する手段として、私は満州事変来の近・現代史を研究している。太平洋戦争は、まちがった、他国に迷惑をかけた戦争です。戦争を伝えたい、という思いで、原告になりました」

「国民投票法案など、おかしな法案が通る世の中。沖縄の問題、自衛隊の派遣も気になる。許せないという気持ちで、原告になりました」

「僧侶です。九条を守る活動もしています。この訴訟を知り、このような活動に出会えたことを感謝の気持ちをこめて参加したいと思っております」

「ヒラメ裁判官を初めて知った。面白いと思って参加しました」

「おかしな法律も、通っちゃうと何となく落ち着いてしまうのが怖い。使い勝手のいい人間を作ろうとしていると思う。主権実現の裁判に偏ることなく、教育基本法改悪の反対に注力したい。訴訟では、しっかりと改定が違憲であることを立証し、教基法を取り戻す弁論を展開したいと思います」

「思想・信教の自由を侵す教育基本法改悪は人権侵害につながっていきます。そういう法律を強行採決してまで通した。それほど追い詰められているとも考えられます。この訴訟は、このような人権侵害にはっきりとノーを示す取り組みです。国連に報告したり、国会で議員に直接語りかけるロビーイング活動など、幅広い宣伝活動が必要です。こうしたことが波状攻撃となるのでは」

「国会で議決すると、通ったということで心の中で諦めてしまう。皆がそう思い、そして、それが世の中の一つになっていってしまう。おかしいものは、おかしいと言いつづければ、世の中の一つにはならないのではないか。そういう気持ちで参加しています」

「牧師です。この訴訟は、我が意を得たりの思いです。宗教者はしつこいですから。末永くやっていきたいです」

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最後に、小海さんからのあいさつでしめくくりました。以下、要旨。

思想・信教を超えて

今夜は私たちのようなキリスト者ばかりでなく、僧侶の方も、無宗教の方も集まりました。「三権分立」と言いますけれど、立法と行政が結託し、この一年間暴走をして、「強行採決」を17回も繰り返し、「やらせタウンミーティング」で辻褄を合わせると言うような仕方で「教育基本法」が改悪されたことに皆それぞれの思想信教を超えて危惧して集まった方々です。なるほど「郵政民営化」を問うた衆議院選挙だったかもしれないが、「教育基本法」やまして「憲法」を問うた選挙でもないはずなのに、そこで当選した議員の数の論理でどんどん話が進められています。立法、行政がこんな有様なら、せめて「三権分立」の残された司法にこそちゃんと役目を果たして頂こうと、私たちは訴訟を起こすわけです。ぜひがんばりましょう。小さな訴訟かもしれないけれど、全国で有権者の何分の一、何割といった人たちが声を上げだしたら、司法ばかりか、立法、行政も無視できなくなるに違いありません。そんな運動にしていきましょう。

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集会は午後9時前に終了。参加者がそれぞれ考えることや思いを語り、提訴に向けた意思を確認しあうことができました。

提訴は、9月21日(金)、記者会見も行います。多くの市民が意思をもっていることを伝えたいと思います。お時間のある方は、ぜひ、提訴、または記者会見にいらしてください!

〈提 訴〉

提訴日:2007年9月21日(金)

    14:00~ 東京地裁にて提訴

    15:00~ 記者会見(東京地裁・司法記者クラブにて)


場所: 東京地裁 霞ヶ関A1出口すぐ


提訴参加者の集合は、13:30 東京地裁1Fロビー

記者会見参加者の集合は、14:30 司法記者クラブ


〈学習会〉

提訴後、報告方々、生田暉雄弁護士を囲んで学習会を下記の要領で行います。世話人の方々・個人原告の方々は特に万障繰り合わせの上お集まり下さい。

日時:2007年9月21日(金)午後6時~8時

場所:阿佐ヶ谷地域区民センター

阿佐ヶ谷駅南口から左手の信号を渡りパールセンター商店街に入り、右側にサンジェルマンのあるところを左に曲がり、少し行った右側)

内容:裁判の実際、準備書面の書き方

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ポケットに教育基本法の会

事務局:〒174-0063 東京都板橋区前野町4-13-3-301 城倉啓方
     tel/fax03-5392-9554 
     Eメール yukesika@sea.plala.or.jp
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# by kyokihoinmypocket | 2008-10-11 20:29 | ニュースレター